2007年02月02日

Anais "The Cheap Show" (2005)

フランスのシンガーソングライターAnaisのライブ作品"The Cheap Show"です。nakaQがAnaisを知ったのは、MySpaceでFriendリクエストを送ってくれたからなのですが、こんなに素敵な人を知ることができてうれしく思っています。AnaisのMySpaceはこちらです。

この作品でのAnaisのスタイルはギターと声と、ジャケットにも写っているエコーマシンを含むマルチエフェクタだけで演奏するというものですが、これだけで信じられないほど充実した音楽を展開しています。タイトル通り、ある意味CheapなShowですが、音楽としての充実度は豪華に楽器を加えた音楽にひけをとらず、また楽しい作品に仕上がっています。Anaisの音楽的素養の確かさ、歌声の力、ギター演奏共にすばらしい作品です。

'Mon Coeur,Mon Amour'は目下彼女の代表的なシングルヒットですが、ころころ転がるようなAnaisの歌声が楽しい曲です。ライブのギター弾き語りスタイルの演奏もよいのですが、Garage Mixも収録されており、こちらはよりポップで親しみやすい出来です。とにかく、この曲は大好きです。

この作品でAnaisは楽器音を声で表現するという技を多用していますが、'Pendant Ce Temps Là en Écosse'はバグパイプの演奏を声で表現し、エコーマシンによりハーモニーも構築して一人でスコットランド民謡風の演奏をやってしまっています。すごいです。

声による表現の極限を見せるのが'Rap Collectif'で、ドラム音、ギターリフ、全てエコーマシンと声で作って見せます。この人のすごいのがこんな演奏ながら見事なグルーブを構築してしまっていることで、アルバム全体としてはギターの弾き語りということでフォークなイメージの作品ですが、こんなコンテンポラリーなジャンルにも熟達しているところを見せています。

nakaQが購入したのは下のリンクと同じ、CD2枚組みのもので、お得感の高いものですが、両方のCDにmpeg形式のビデオが収録されており、美しくお茶目なAnaisを楽しむこともできます。インディーズな雰囲気も漂う作品ですので、気になる方は早めに入手されることをお勧めします。

nakaQ評価:★★★★★

Anais "The Cheap Show"USA
The Cheap Show


Disc: 1

1. Même Si La Vie C'pas du Foie Gras
2. Mon Cœur Mon Amour
3. Elle Sort Qu'avec des Blacks
4. Christina
5. Intermède: Pendant Ce Temps Là en Écosse
6. Vie Est Dure
7. Rap Collectif
8. Je T'Aime à en Crever
9. Intermède: Pendant Ce Temps Là Sur MTV, "Rock Your Body"
10. B-B Baise Moi
11. Bad Blues Player
12. Plus Belle Chose au Monde
13. Mon Coeur Mon Amour [Garage Mix]
14. Vidéos Visuelles [*]

Disc: 2

1. Plus Belle Chose au Monde [Live][*]
2. Bad Blues Player [Live][*]
3. Vie Est Dure [Extraits des Black Session - France Inter][Live][*]
4. Rap Collectif [Nouvelle Version][Live][*]
5. Ils Ont Changé Ma Chanson [Extrait de "Boogie Night" Sur Oui FM][Live]
6. Rap Collectif [Nouvelle Version][Multimedia Track]

ana!)s - The Cheap Show試聴できます
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2007年01月31日

Jennifer Lopez "On The 6" (1999)

Jennifer Lopezの1stです。

デビュー盤ということで、ある種初々しいのですが、1曲目からnakaQとしてはJenniferの曲で最も好きな'If You Had My Love'が始まるものですから、やはり超強力な作品です。デジタルシンセによると思われるアコースティックギターのアルペジオもJenniferのふわっとした持ち味をうまく引き出していて、とてもよい感じです。適度に哀愁を帯びたメロディラインも最高。

この作品からのシングルヒットというと'Waiting For Tonight'も欠かせません。ヒスパニック系としてダンサブルな曲で持ち味を発揮するJenniferですが、この曲はまさにラテンパーカッシブな曲調で、ぴったりはまっています。Jenniferの歌唱も、キーが彼女の声域にうまく合っており、情熱的な色気を感じさせてよいです。

'No Me Ames'はMark Anthonyとのデュエット曲です。Mark Anthonyというと、すでに大スターだったはずですが、そんな人と堂々と共演するところなど、やはりただの新人ではないことを見せています。Ballad Versionもいいのですが、Tropical Remixも開放的でよい仕上がりです。

nakaQ評価:★★★★

Jennifer Lopez "On the 6"
On the 6


曲目リスト

1. If You Had My Love
2. Should've Never
3. Too Late
4. Feelin' So Good
5. Let's Get Loud
6. Could This Be Love
7. No Me Ames [Tropical Mix]
8. Waiting for Tonight
9. Open Off My Love
10. Promise Me You'll Try
11. It's Not That Serious
12. Talk About Us
13. No Me Ames [Ballad Version]
14. Una Noche Mas
15. Baila [*]
16. Theme from Mahagony (Do You Know Where You're Going To) [*]

Jennifer Lopez - On the 6USA試聴できます
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2007年01月24日

"Korn" (1994)

Kornの1stアルバムです。

nakaQ、最近はToolやらNirvanaやらを聴いていますが、これまであまり最近のHeavy Rockを聴いていませんでしたのでもしかすると外しているかもしれませんが、今までこんなにAudio的に優れたRockアルバムを聴いたことがありませんでした。

Rockって、特にギターはディストーションさせるので、そもそも音が悪くどうしようもないと思っていたのですが、この作品はギターはもちろんディストーションがかかり歪んではいるものの、その歪んだ音をとてもクリアに収録しているのに驚きました。クリアに録音しているのですが、不思議なほど耳ざわりはよいです。スラップベースの重低音もすごくクリアで、録音に起因する歪みは感じられません。Jonathan Davisのボーカルはちょっとくぐもり気味ですが。

音楽としても、Heavyでありながらダンス音楽的なファンキーな味わいもあって、非常に優れた作品だと思います。Drumsも手数の多いフレーズを連発し、素敵。と同時に、心の奥の闇を照らすような、深層心理を覚醒させる感覚も持った不思議なサウンドです。

冒頭の'Blind'からノイジーなバッキングギターの洪水とベースの重低音がとても心地よいです。テンポが急に遅くなったり戻ったり、複雑な曲を実に軽やかに演奏しています。

'Ball Tongue'はこのアルバムの中でもダンスチューン的なファンキーさが際立つご機嫌な曲です。ギターの発する叫び声のようなフレーズが、Public Enemyを思わせますが、Jonathan Davisのシャウトするボーカルもラップ系のボーカルのようにリズミックで、よいです。

'Predictable'も重いながらもとてもファンキーな味わいのある曲です。低音弦を主体としたバッキングギター、ベース、バスドラムが一体となって重低音を奏で、カタルシス感のある演奏を繰り広げます。途中ギターの発する警報音的なフレーズが緊張感を高め、かっこいいです。

アートワークについても一言。女の子がブランコに乗って、直射日光に手をかざしながら何か見ていますが、左下にははさみのような二本指の宇宙人と思しき人影が。裏の写真では女の子の姿はないので、連れ去られてしまったのでしょうが、そんな突然変異的・ミュータント的なかっこよさがこの作品のサウンドにはあります。

nakaQ評価:★★★★★

"Korn"(♪全曲試聴可)
Korn


曲目リスト

1. Blind
2. Ball Tongue
3. Need To
4. Clown
5. Divine
6. Faget
7. Shoots and Ladders
8. Predictable
9. Fake
10. Lies
11. Helmet in the Bush
12. Daddy

Korn - KornUSA試聴できます
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2007年01月13日

The Beatles "Let It Be...Naked" (2003)

The Beatlesのラストアルバム"Let It Be"のオリジナル音源に忠実に制作された作品です。

"Let It Be"は、それぞれの心がばらばらになってしまったメンバーに、出発点に戻ることでもう一度やり直そう、ということでPaulが企画したものの失敗に終わり、メンバーも見向きもしなくなった"Get Back"セッションでのレコーディング音源を、Phil Spectorが職人技でなんとか発表できる作品に仕上げたアルバムでしたが、The Beatlesの作品としてはやはり生気に欠けるというか、違和感のある作品でした。

この"Let It Be...Naked"はエフェクト類を極力排除し、オリジナル音源でのThe Beatlesの演奏がいかにすばらしかったかを再認識させる作品に仕上がっています。

冒頭'Get Back'は、"Let It Be"での演奏と、聴いた印象は大きく違わないのですが、最後が突然終わるのであっけにとられた気分になります。これまで聴いてきた演奏は、"Let It Be"に収録されていたバージョンは最後に話し声が入り、シングルカットバージョンはいったん演奏が止まって、再度演奏が開始し、フェイドアウトする演奏でしたので、こんなに突然止まるといささか戸惑ってしまいます。これがオリジナル演奏なのでしょうが。

'Let It Be'や'The Long And Winding Road'の名曲については、Phil Spectorの職人芸が光り、いずれも素晴らしい演奏に仕上がっていますので、Paulが'The Long And Winding Road'にストリングスを入れるのは嫌だ、と言ったところでPhil Spectorの功績は認めないわけにはいかないでしょう。このアルバムではむしろこれらのヒット曲でない、"Let It Be"ではほとんど退屈でしかなかったロックンロールナンバーの数々が、文字通りむき出しになって、圧倒的な迫力で聴けることが最大の収穫です。

たとえば'For You Blue'は"Let It Be"ではエフェクト過剰でもわっとした音場感でしたが、このアルバムでは見違えるほどくっきりした音になっています。演奏自体はたしかに同じなのですが、スライドギターの切れ味など、いい演奏をしていたんだということを再認識させられます。

'Dig A Pony'も、確かに演奏は同じなのですが、"Let It Be"ではつまらなく聴こえた曲がこんなに荒々しく生き生きとした演奏だったことがわかります。このあたり、いわゆる"Get Back"セッションはこれまで言われていたほど失敗ではなく、実は結構実りのあったプロジェクトだったのではないかという気がします。やはりThe Beatlesは60年代に生き、60年代とともに終わる運命だったバンドで、"Get Back"から"Let It Be"「そのままにしておけ」というタイトル変更が奇しくも全てを物語っているように思います。

nakaQ評価:★★★★

The Beatles "Let It Be... Naked" [Bonus Disc]
Let It Be... Naked [Bonus Disc]


曲目リスト

1. Get Back
2. Dig A Pony
3. For You Blue
4. The Long And Winding Road
5. Two Of Us
6. I've Got A Feeling
7. One After 909
8. Don't Let Me Down
9. I Me Mine
10. Across The Universe
11. Let It Be
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2007年01月11日

Jessica Simpson "In This Skin" (2003)

ブロンドの美人ながらしっかりとした歌唱力を備えたJessica Simpsonの3作目です。この作品はJessicaが23歳の時の作品ですが、歌が実にうまい。うまいといっても機械的に正確とか、そういうことではなくて、肉声の揺れをとても上手にコントロールしていると思います。nakaQ、たとえばKate BushやPrinceなど多重録音による一人コーラスが好きなのですが、このアルバムでもJessica Simpsonの声がいっぱいで、そういった意味でも好感度が高いです。

冒頭'Sweetest Sin'は官能的な世界を歌っていますが、歌詞もさることながら浮遊感を持ったメロディラインがとても豊熟なイメージをかき立て、秀逸と思います。

'With You'はダブ的な、パーカッションが活躍するパートも素敵ですが、アコースティックギターに乗せて歌われるサビの部分がとてもポップで好きです。この曲も、Jessicaコーラスはもちろんよいです。

'Forbidden Fruit'はいかにもエレクトロポップなダンス曲ですが、抑え気味のJessicaの声がやはり魅力的です。JessicaのボーカルはところどころnakaQが嫌いなデジタル処理が施されているのですが、それより生声で歌っている部分の存在感が際立っており、いやみに聞こえないのがうれしいです。

恒例により、通常盤のカバー写真のほかに、DualDisc仕様盤と'With You'のカバー写真を貼っておきます。

nakaQ評価:★★★★

Jessica Simpson "In This Skin"(♪全曲試聴可)
In This Skin


曲目リスト

1. Sweetest Sin
2. With You
3. My Way Home
4. I Have Loved You
5. Forbidden Fruit
6. Everyday See You
7. Underneath
8. You Don't Have To Let Go
9. Loving You
10. In This Skin
11. Be

Jessica Simpson "In This Skin"(Dual Disc)
In This Skin


Jessica Simpson 'With You'
With You

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2007年01月02日

The Corrs "Live At The Royal Albert Hall" (1998) DVD

The Corrsが1998年3月、St.Patrick's DayにRoyal Albert Hallで行ったライブの模様を収めたDVDです。

当時、名盤"Talk On Corners"をリリースした頃で、当然"Talk On Corners"からの曲も多く取り上げられているのですが、そんな彼女達の勢いを感じさせる素晴らしい作品に仕上がっています。衣装はこの頃の彼女達のトレードマークでもあった黒いドレスで、文句なしにかっこよく、美しい。この作品を久々に見て、彼女達は黒髪が非常に美しいことに気づきました。

冒頭'When He's Not Around'で幕を開けますが、イントロでElectric Violinを奏でるSharonがとても知的で美しい。ステージ中央で颯爽と歌うAndreaは当然すてきで、Jimの奏でるDigital Synthesizerもブリブリと活きのいい音で、よいです。

'What Can I Do'も、"Talk On Corners"に収録されnakaQは大好きな曲ですが、オリジナルのシンセサイザによるサンプリング音でのコーラスをしたイントロが再現されていて、とてもよいです。いたずらっぽく微笑むAndreaの表情も最高。Carolineのパワフルなドラミングもよいです。

また、特に初期のThe CorrsはInstrumental曲も多く取り上げていたのですが、この作品でもInstrumental曲の出来がよいです。特に終曲となる'Toss The Feathers'はFleetwood MacのMick Fleetwoodとの共演で、大きなクライマックスを形成します。Mick Fleetwoodも叫んでいるように、確かなロック魂を持ったバンドであることを証明する素晴らしい演奏と思います。

nakaQ評価:★★★★★

ライブ・アット・ザ・ロイヤル・アルバート・ホール
ライブ・アット・ザ・ロイヤル・アルバート・ホール


曲目リスト

1. ホエン・ヒーズ・ノット・アラウンド
When He's Not Around
2. ノー・グッド・フォー・ミー
No Good For Me
3. ラヴ・トゥラヴ・ユー
Love To Love You
4. 遥かなる想い
Forgiven Not Forgotten
5. ジョイ・オブ・ライフ
Joy Of Life
6. インティマシー
Intimacy
7. ホワット・キャン・アイ・ドゥ
What Can I Do
8. ライト・タイム
Right Time
9. クイーン・オブ・ハリウッド
Queen Of Hollywood
10. ドリームス
Dreams
11. ヘイスト・トゥ・ザ・ウェディング
Haste To The Wedding
12. ランナウェイ
Runaway
13. 夢の中で抱きしめて
Only When I Sleep
14. ホープレスリー・アディクエッド
Hopelessly Addicted
15. アイ・ネヴァー・ラヴド・ユー・エニウェイ
I Never Loved You Anyway
16. ソー・ヤング
So Young
17. トス・ザ・フェザーズ
Toss The Feathers
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2006年12月29日

Ultravox "Vienna" (1980)

Ultravoxの代表作"Vienna"です。

サウンド的にはニューウェイブとテクノの中間といった趣で、YMOやKraftwerkほどがちがちのテクノサウンドではなく、生音も結構活躍しています。アメリカのDevoと似たスタンスで、生音にうまくシーケンスを取り入れてグルーブ感を増す使い方をしています。このアルバムから参加しているMidge Ureの声がやや神経質に感じ、DevoのMike Mothersboughを思わせるからなおさらそのように感じるのかもしれません。

冒頭の'Astradyne'は7分を超えるインストゥルメンタル曲です。シンセサイザを中心に構成され、グルーブ感も高く、とても質の高い演奏で、長さを感じさせません。シンセサイザソロも非常に効果的です。

'Sleepwalk'はアップテンポで、いかにもニューウェイブ然とした曲調です。こういう曲ではシンセベースのノリのよさがキモと思いますが、その意味でもこの曲は大変よくできています。シーケンスによるシンセサイザの音色も、ポップでよいです。

'Vienna'はタイトルチューンですが、ゆっくりとしたテンポにSound Effectが乗り、ロマンティックかつドラマチックな曲に仕上がっています。途中、間奏部でテンポアップし、ストリングスパートになるのもよい構成と思います。

nakaQ評価:★★★★

Ultravox "Vienna"
Vienna


曲目リスト

1. Astradyne
2. New Europeans
3. Private Lives
4. Passing Strangers
5. Sleepwalk
6. Mr X
7. Western Promise
8. Vienna
9. All Stood Still

Ultravox - Vienna試聴できます
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2006年12月23日

Hugo Diaz 「ハーモニカの鬼才〜フォルクローレ名曲集」(2003)

ハーモニカの鬼才、Hugo DiazのFolklore作品のコンピレーションです。

nakaQがHugo Diazのことを知ったのは、Led Zeppelinの1stアルバムの'You Shook Me'でRobert Plantがブルースハープを吹いているのに刺激されてブルースハープをしてみたくなり、浅見安二郎さんの「ブルースハープ」という教則本を読んで始めてみたのですが、この本でHugo Diazのことが紹介されていたのがきっかけです。浅見安二郎さんの本はCD演奏を含め実にすばらしい本ですのでブルースハープをしてみたい方はぜひ入手されるとよいです。

それはともかく、この作品で聴かれるHugo Diazの演奏はまさに衝撃的で、ハーモニカでこんな音がでるのか、という思いになること必至です。Hugo Diazは1977年にすでに亡き人になっているのですが、音質も大変よく、まさに目の前で吹いているかのような迫力です。

冒頭の'La Distancia'は哀愁を含んだメロディ、アコースティックギターのバッキングといかにもFolkloreな曲ですが、Hugo Diazの演奏の特徴である激しく不協和なブロー音が早くも全開で、圧倒されます。

'Viva Jujuy'は右に定位する明るく高い弦の音がラテンミュージックらしい、楽しい曲です。Hugo Diazの演奏も、彼らしい激しさを幾分抑え、楽しい演奏に徹しており、これはこれでとてもよい感じと思います。

音楽的には後半のほうが華やかで、バンドネオン等も交えてよりカラフルな演奏が展開されます。'Malvita'では左チャンネルに定位するピンポン鳴るパーカッションがごきげんで、明るくノリのよい演奏が展開されます。

nakaQ評価:★★★★

Hugo Diaz 「ハーモニカの鬼才〜フォルクローレ名曲集」
ハーモニカの鬼才~フォルクローレ名曲集


Disc 1

1.へだたり
La distancia(Oscar Matus - Armando Tejada Gomez)  
2.ラ・フィナディータ
La finadita(Julian y Benicio Diaz)  
3.ウルグアイ川に捧げる歌
Canto al Rio Uruguay(Ramon Ayala)
4.マサモレアンド
Mazamorreando(P.D./Recop:Alberto Ruiz)
5.故郷に帰って
De vuelta al pago(Fortunato Juarez)
6.サルタの天幕小屋
Carpas saltenas(Payo Sola)  
7.私のサンバ
Zamba mia(Hugo Diaz)  
8.見つからないよ
No lo hallo(Hugo Diaz - Oscar Liza) 
9.はるか彼方を目指して
Hacia la distancia(Oscar Matus)
10.古きチャカレーラ
La vieja(Julian y Benicio Diaz)  
11.私のラウラのために
Para mi Laura(Jose L. Colangelo)
12.フフイ万歳!
Viva Jujuy (Segundo Aredes 採譜:Rafael Rossi)
13.サンティア−ゴの郷愁
Nostalgias santiaguenas(Hermanos Abalos)
14.忘却のチャカレーラ
La olvidada(Julian y Benicio Diaz - Atahualpa Yupanqui)
15.サンバ・アレグレ
Zamba alegre(Andres Chazarreta)
16.悩める者のチャカレーラ
Chacarera del sufrido(Hermanos Abalos)
17.遠くからの歌
Cancion del lejos(Cesar Isella - Armando Tejada Gomez) 
18.限りなき愛の歌
Amar amando(Horacio Guarany)

Disc 2

1.道連れ(ラ・コンパニェーラ)
La companera(Oscar Valles - Fernando Portal)
2.ウルピーラの嘆き
Lamento de la ulpilita(Bravo)
3.高地のサンバ(ラ・アリベーニャ)
La arribena(Atahualpa Yupanqui)
4.ラ・パタジャ
La pataya(Hugo Diaz)  
5.君の忘却を思いつつ
Pensando en tu olvido(Julio Jerez)
6.ベチョのバイオリン  El violin de Becho
El violin de Becho(Alfredo Zitarrosa)
7.サカー島
Isla Saca(S.Cortesi)
8.キロメトロ・オンセ
Kilometro 11(Transito Cocomarola)
9.メルセディータス
Merceditas(Ramon Sixto Rios)
10.ビジャヌエバ
Villanueva(Ernesto Montiel - Emilio Chamorro)
11.谷間の川
Valle‘I(Herminio Gimenez - Matias Goetz)
12.キシエラ・セル
Quisiera ser(Mario Clavell)
13.歌う雄鶏
Gallito cantor(Jose Asuncion Flores)
14.ラ・グアンパーダ
La guampada(Mario Millan Medina)
15.マルビータ
Malvita(Herminio Gimenez)
16.わが麗しのコリエンテス
Ah! mi Corrientes pora(Eladio Martinez - Lito Bayardo)
17.ペソア橋
Puente Pexoa(Transito Cocomarola)
18.さかまく川
Rio rebelde(Cholo Aguirre)
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2006年12月16日

U2 "The Unforgettable Fire" (1984)

古城の幻想的な写真を使ったカバーが印象的なU2の作品です。

音的にはBrian EnoとDaniel Lanoiをプロデューサに迎え、非常に高度な音処理の施された作品に仕上がっています。

オープニングを飾る'A Sort Of Homecoming'はゆったりとしたノリのリズムで、このバンドが大きく成長したことを印象付ける曲です。U2のトレードマークでもあるThe Edgeのギターのバッキングは当然効果的なのですが、グリッサンドによるギターサウンドも重ねられ、アルバムのカバーのような幻想的な効果を上げています。Adam Claytonのよく歌う端正なベースもよいです。ドラムもスネアでない、ポコポコいう音の太鼓が使用され、耳を惹きます。

'Pride (In The Name Of Love)'はThe Edgeの饒舌なバッキングリフとLynn Drumの大げさなドラム音が印象的な曲です。この曲もビートはゆったりと大きく、ずっしりとした安定感を感じさせます。

この作品は前半の派手さに比べると後半は地味な印象ですが、そんな中、'Bad'も静かな曲調ながら、サビのメロディなど彼らのルーツであるIrishな要素を感じさせ、よい感じです。この曲もAdam Claytonのベースがよい。The Edgeのギターサウンドも合わせ、雄大なスケールを感じさせるよい曲と思います。

nakaQ評価:★★★★

U2 "The Unforgettable Fire"
The Unforgettable Fire


曲目リスト

1. A Sort Of Homecoming
2. Pride (In The Name Of Love)
3. Wire
4. The Unforgettable Fire
5. Promenade
6. 4th Of July
7. Bad
8. Indian Summer Sky
9. Elvis Presley And America
10. MLK

U2 - The Unforgettable Fire試聴できます
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2006年12月12日

The Beatles "Let It Be" (1970)

リリース順から言うとThe Beatlesのラストアルバムです。製作は"Abbey Road"のほうが後でしたが。タイトル曲や'Get Back','The Long And Winding Road'等の名曲が含まれていますので、存在意義は十分すぎるほどあるのですが、なにより失敗に終わった"Get Back"プロジェクトの痛々しい残影が聴いていて辛いです。この寒々とした感触は映画だともっとリアルで、Paulを除くメンバーの心がすでにそこにないことが見てとれます。

音的にも、The Beatlesの面々が、収録したもののどうにもならないということでほったらかしにした音源を、Phil Spectorが職人芸でリリースできる状態にしたということで、ある意味厚化粧な作品になっていて、この意味でも辛いです。

そんな作品ですが、前述の3曲はThe Beatlesを代表する名曲になっているのがこの人たちのすごいところです。

タイトルチューンの'Let It Be'はゴスペル風味の名曲ですが、George Harrisonがセッションの後日にオーバーダブしたリードギターがすばらしい。乾いた音色の、実にGeorgeらしい名演です。説得力のあるフレーズ展開といい、GeorgeのThe Beatles時代のリードギターソロとして最高の演奏の一つでしょう。曲を盛り上げる、輝かしいトランペットの導入はPhil Spectorの功績です。

'The Long And Winding Road'もPhil Spectorの職人芸が光る名曲です。オリジナルのコンボ形式の演奏は、Paulの意図したサウンドなのでしょうが、Philの導入したストリングスによる、特に間奏部の素晴らしい旋律はオリジナルにはありません。Philの天才が、オリジナル演奏からこの旋律を聴いてしまったのでしょう。それが、この曲に永遠の命を与えました。

'Get Back'は当然ながら名曲ですが、演奏もライブ感溢れるよい演奏であったためか、Phil Spectorも特にいじらず、ストレートな演奏になっています。曲最後の拍手やら話し声が、この演奏のライブな印象を高めるのに役立っており、これはPhil Spectorの職人芸です。

Rolling Stone誌の"The RS 500 Greatest Albums Of All Time"では86位にランクされています。

nakaQ評価:★★★★

The Beatles "Let It Be"
Let It Be


曲目リスト

1. Two Of Us
2. Dig A Pony
3. Across The Universe
4. I Me Mine
5. Dig It
6. Let It Be
7. Maggie Mae
8. I've Got A Feeling
9. One After 909
10. The Long And Winding Road
11. For You Blue
12. Get Back
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