2007年09月27日

Mahavishnu Orchestra "Between Nothingness And Eternity" (1973)

John McLaughlinの超速弾きが炸裂するMahavishunu Orchestraのライブアルバム

ライブアルバムとは言っても"The Inner Mounting Flame"や"Birds Of Fire"の曲をライブで再現しているわけではなく、新しい曲での演奏を収録したものですので、オリジナルアルバムの1つとして聴くことができる作品です。

このアルバムのインタープレイはとにかくすさまじい。John McLaughlinのギターはこの当時神がかり的だったと思うのですが、超絶な速弾きがこれでもかとばかりに繰り広げられますので、バカテクなギターソロを聴きたい人には最適な作品かと思います。Jan HammerのMoogもいい感じで叫びを上げ、よいです。

反面、なにぶんインプロビゼーションが主体の構成ですので、曲自体のよさとかはほとんど印象に残らず、そういう意味では"Birds Of Fire"のようにカチッと1曲1曲がまとまっているアルバムのほうがとっつきはよいと思います。

いずれにしても、70年代前半の「ジャズ・ロック」ムーブメントを飾る代表的な作品には違いないと思われ、聴いて損はない充実度を持ったアルバムです。

nakaQ評価:★★★★

Between Nothingness and Eternity
Between Nothingness and Eternity


Mahavishnu Orchestra - Between Nothingness & EternityUSA試聴できます
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2007年08月31日

Mahavishunu Orchestra with John McLaughlin "The Inner Mounting Flame" (1971)

John McLaughlin率いるMahavishnu Orchestraの1stアルバム

この作品は、フュージョンというかジャズロックに分類されるのでしょうが、nakaQ的にはJohn McLaughlinのブルース魂に深く感銘を受けました。

メンバーは"Birds Of Fire"と同じ顔ぶれですが、特にJan HammerがMoogに開眼していなかった頃と思われ、おとなしくピアノを弾いているのが印象的です。おとなしくとは言っても十分自己主張はしているのですが、とにかくJohn McLaughlin(g)とJerry Goodman(v)に伍してシンセサイザで叫びまくるJan Hammerは"Birds Of Fire"を待て、といったところで、その分この2人の暴れ具合が痛快な作品に仕上がっています。

冒頭'Meeting of the Spirits'からJohn McLaughlinのギターはテンション全開で、Billy Cobham(d)のパワフルなドラミングもいい感じで暴力的です。Jerry Goodmanのバイオリンもロックしていて素敵です。

ブルースっぽいということでは、'The Dance of Maya'もよいです。アルペジオで始まるイントロはロックっぽくもあるのですが、Jerry Goodmanのソロのあたりから3連ブルースなノリになります。が、実際は変拍子で、それと感じさせずにエモーショナルな演奏を繰り広げるあたり、やはり卓抜なテクニシャン集団と思います。

'A Lotus On Irish Streams'はリリカルなアコースティックな味わいの曲です。シュアなテクニックを誇る人たちですので、さすがに実力が光るというか、ブルースっぽいこの作品にあって一滴の清涼剤のようなみずみずしい曲に仕上がっています。

nakaQ評価:★★★★★

Mahavishnu Orchestra with John McLaughlin "The Inner Mounting Flame"(♪全曲試聴可)
The Inner Mounting Flame


曲目リスト

1. Meeting of the Spirits
2. Dawn
3. Noonward Race
4. Lotus on Irish Streams
5. Vital Transformation
6. Dance of Maya
7. You Know You Know
8. Awakening
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2007年04月30日

Chick Corea "Now He Sings, Now He Sobs" (1968)

1970年代のChickの大活躍を予期させる、リリカルなピアノトリオ作品

Chick Coreaが"Return To Forever"を発表し、1970年代にCrossover/Fusionで大活躍する前夜の作品です。感触はBrasil色の濃い初期Return To Foreverとも違い、真っ当なJazzトリオといった趣ですが、ChickのピアノはすでにSpanishな感覚に溢れ、いわゆるJazzピアノとはかなり違うリリカルなプレイを繰り広げています。その意味では1970年代のChick Coreaの快進撃がこの作品に予告されていたと見ることができます。

'Matrix'はどちらかというと普通のJazzですが、Chickのピアノに新しい感性が光る演奏です。曲中盤のMiroslav VitousのBassソロもよく歌い、よい感じです。

'Steps - What Was'は曲の前半部はいわゆるJazzっぽいのですが、Roy HaynesのDrumsソロを挟んで、後半"Return To Forever"の'La Fiesta'にも使われたラテンフレーバーの主題が登場します。このあたり、やはりこのアルバムは新世代のJazzとしてCrossover/Fusionの幕開けを告げる作品と言えると思います。

nakaQ評価:★★★★

Chick Corea "Now He Sings, Now He Sobs"
Now He Sings, Now He Sobs


曲目リスト

1. Matrix
2. My One And Only Love
3. Now He Beats The Drum - Now He Stops
4. Bossa
5. Now He Sings - Now He Sobs
6. Steps - What Was
7. Fragments
8. Windows
9. Pannonica
10. Samba Yantra
11. I Don't Know
12. The Law Of Falling And Catching Up
13. Gemini

Chick Corea - Now He Sings, Now He Sobs試聴できます
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2006年10月14日

Weather Report "Mr.Gone" (1978)

Weather Reportが"Heavy Weather"に続いて発表したアルバムです。

ポップな音楽性は前作と同様の傾向ではあるものの、この作品ではJosef Zevinulのワンマンシンサイザオーケストラの方向を推し進め、せっかくのWayne ShorterのSaxophoneやJaco PastoriusのBassが隅に追いやられているように感じる曲があります。作品全体としても、前作ほどのポップさは感じられません。

'The Pursuit Of The Woman With The Feathered Hat'は、Josef Zavinulがこの作品で表現しようとしたシンセサイザオーケストラによる曲の躍動感がもっともよく伝わる曲と思います。原点回帰といった趣のアフリカなメロディやビートが特徴的で、ボーカルもアフリカな印象でとてもよいです。

'River People'の前半部はもっとシンセサイザオーケストラな感じで、単調なビートが続くのですが、この単調さがなぜかFunkな味を醸していて、よいです。中盤以降はもっと普通のWeather Reportらしいバンド演奏になりますが、それでもシンセサイザがやはり大きく活躍しています。

タイトル曲の'Mr.Gone'はビョーキっぽいイントロから始まる、やはりこのアルバムを象徴するような曲です。Bass Runningもシンセサイザに聴こえますが、このゴージャズなジャズバンドグルーブがほとんどシンセサイザばかりで演奏されていることはやはり驚異的です。

nakaQ評価:★★★★

Weather Report "Mr. Gone"(♪全曲試聴可)
Mr. Gone


曲目リスト

1. Pursuit of the Woman With the Feathered Hat
2. River People
3. Young and Fine
4. Elders
5. Mr. Gone
6. Punk Jazz
7. Pinocchio
8. And Then

Weather Report - Mr. GoneUK試聴できます
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2006年10月05日

John Coltrane Quartet "Ballads" (1962)

John Coltraneの優しく、ムーディーな演奏を堪能できる名盤"Ballads"です。

当時、Coltraneのマウスピースが傷んでおり、彼のトレードマークであるSheets Of Soundの激しいブローができなかったので、ゆっくりと優しく吹けるバラード曲集を録音したと言われていますが、そんなアクシデントめいたことでこんなに美しい作品ができてしまったのですから、何が幸いするかわからないと思います。一見、アンラッキーに見える状況でも、とりあえず何かやってみれば思わぬ成果が得られるかもしれないという好例でしょう。まあ、Coltraneの場合は日頃の鍛錬がモノを言ったということかもしれませんが。

今回下に貼ったカバーは、Deluxe Editionということで、未発表ボーナストラックを多数収録した2枚組みで、音質も大変向上しているということです。nakaQはレギュラー盤しか聞いたことがありませんが、機会があったらぜひ聴いてみたく思います。

曲の紹介ですが、冒頭'Say It(Over And Over Again)'はいかにもバラードという感じの、甘い旋律が印象的な曲です。魔人の如くにすさまじいブローを行うColtraneの、限りなく優しい面が垣間見れる、すてきな曲と思います。

'What's New'はMcCoy Tynerのピアノソロで始まりますが、このピアノがリリカルでとてもよいです。Quartetの演奏になってからも、Jimmy GarrisonのBass、Elvin JonesのDrumsとも自己主張を控えながらしっかりとColtraneのTenorソロを支えており、この時期のQuartetの充実ぶりを感じることができます。

'It's Easy To Remember'も親しみやすい旋律がとても美しい曲です。そっとやさしく旋律を奏でるColtraneの演奏が和みものです。

なお、iTunesのリンクはこのDeluxe Editionで、全22曲のアルバムが格安になっていますのでお得と思います。

nakaQ評価:★★★★

John Coltrane Quartet "Ballads"(♪全曲試聴可)
Ballads


曲目リスト

Disc 1

1. Say It (Over and Over Again)
2. You Don't Know What Love Is
3. Too Young to Go Steady
4. All or Nothing at All
5. I Wish I Knew
6. What's New
7. It's Easy to Remember
8. Nancy (With the Laughing Face)

Disc 2

1. They Say It's Wonderful
2. All or Nothing At All
3. Greensleeves
4. Greensleeves
5. Greensleeves
6. Greensleeves - 45 rpm take
7. Greensleeves
8. It's Easy to Remember (1)
9. It's Easy to Remember (2)
10. It's Easy to Remember (3)
11. It's Easy to Remember (4)
12. It's Easy to Remember (5)
13. It's Easy to Remember (6)
14. It's Easy to Remember (7)

John Coltrane Quartet - Ballads (Deluxe Edition)試聴できます
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2006年09月25日

Miles Davis "Kind Of Blue" (1959)

2006年9月23日付けの朝日新聞の天声人語にMiles DavisとJohn Coltraneのことが書かれていました。John Coltraneの誕生日にちなんでの記事ですが、このJazzの2人の巨人がセッションに参加している作品の中での最も有名なのがこのアルバムと思います。

同記事に、寺山修司さんのユリイカの記事から「ジャズは・・・故郷喪失の音楽だって気がした」と引用されていますが、故郷喪失というか人工的な味わいはモダンジャズの持つクールな感覚によるところが大きいと思います。このアルバムでは、ソロの自由度を広げるためにモード旋法が導入されましたが、これも普通和声を中心に楽曲が組み立てられることが多いことを考えると、人工的な味わいの手法と言えるでしょう。

冒頭の'So What'はMilesの口癖から曲名が付けられたといいますが、イントロのPaul Chambersのベースソロからして「それで?」どころでない、クール極まりないブルースが展開されます。MilesのトランペットもColtraneのTenor Saxも素晴らしいトーンで一気に聴かせます。

'Freddie Freeloader'も'So What'に似た曲想ですが、冒頭ホーンの合奏で始まり、このトーンがとても暖かいためクールな感触は若干少なめな印象で、より親しみやすい曲です。この曲ではピアノのWynton Kellyのソロが最初に入りますが、とてもよい演奏と思います。

'All Blues'もColtraneのTenor Saxがやはり素晴らしい。すばやいパッセージを繰り出しながらもトーンは芳醇で、Tenor Saxはかくあるべしと言う見本のような演奏です。

Rolling Stone誌の"The RS 500 Greatest Albums Of All Time"では12位にランクされています。Jazzアルバムでは最高位です。

nakaQ評価:★★★★

Miles Davis "Kind of Blue"
Kind of Blue


曲目リスト

1. So What
2. Freddie Freeloader
3. Blue In Green
4. All Blues
5. Flamenco Sketches
6. Flamenco Sketches (Alternate Take)

Miles Davis - Kind of BlueUSA試聴できます
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2006年09月17日

Norah Jones "Come Away With Me" (2002)

ハイテックでエレクトロニックなダンスビートが大好きなnakaQですが、その対極にあるような、アコースティックで優しい歌声が魅力のNorah Jonesのデビューアルバムです。

シタール奏者Ravi Shankarの娘ですが、その影響のほどは現在のメインストリームジャズ然とした音楽性からはよくわかりません。同じく音楽の道に進んだと言うことが最大の影響でしょうか。

とにかく、大ヒットしたアルバムで、第45回グラミー賞で以下の賞に輝いています(Wikipediaより)。

アルバム『Come Away With Me』に対し、
最優秀アルバム賞(Album of the Year)
最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞(Best Pop Vocal Album)
最優秀録音賞、ノン・クラシカル(Best Engineered Recording, Non-Classical)

ノラ・ジョーンズ本人に対し、
最優秀新人賞(Best New Artist)

曲目『Don't Know Why』に対し、
最優秀レコード賞(Record of the Year)
最優秀楽曲賞(Song of the Year (songwriter)、作者:ジェシー・ハリス)
最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞(Best Female Pop Vocal Performance)

プロデューサーのアリフ・マーディンに対し、
最優秀プロデューサー賞(Producer of the Year)

上記の通りプロデューサーはArif Mardinですが、Scritti Polittiの歴史的名盤"Cupid & Psyche '85"も彼のプロデュースです。"Cupid & Psyche '85"はこのアルバムのようにグラミー賞を総なめにすることはありませんでしたが、この作品も製作段階ではこんなにヒットするとは考えられていなかったようで、良い仕事をする姿勢が節目節目で名盤を生み出しているようです。

冒頭'Don't Know Why'はこのアルバムを象徴するかのような優しさに溢れた曲で、ピアノが特によいです。全体のフレーバーはジャズなのですが、フォークっぽい爽やかさがいい感じです。

'Seven Years'はギターワークが素晴らしい曲です。スライドによるソロも最高。左右に振れるコンガもアクセントになっています。

'Feelin' The Same Way'もギターとスライドギターソロが心地よい曲です。スネアとウッドベースがジャズっぽい雰囲気を醸していますが、実はかなりフォーク寄りのアレンジです。

必ずしもジャズでなく、もっと幅広い音楽性を持った、とても心地よい作品です。カバーは、上のものが通常盤で、下のものは"Live In New Orleans"のDVD付のDeluxe Editionです。

nakaQ評価:★★★★

Norah Jones "Come Away With Me"
Come Away With Me


曲目リスト

1. Don't Know Why
2. Seven Years
3. Cold Cold Heart
4. Feelin' the Same Way
5. Come Away With Me
6. Shoot the Moon
7. Turn Me On
8. Lonestar
9. I've Got to See You Again
10. Painter Song
11. One Flight Down
12. Nightingale
13. The Long Day Is Over
14. The Nearness of You

Norah Jones - Come Away With Me試聴できます

Norah Jones "Come Away with Me"
Come Away with Me
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2006年09月16日

Return To Forever "Live The Complete Concert" (1978)

Chick CoreaがReturn To Foreverの集大成として、また70年代の彼の活躍の集大成として発表したライブアルバムです。同時に、70年代に隆盛を極めたFusionの頂点に位置するアルバムといってもよいと思います。タイトル通りに、1977年に彼らがNew YorkのPalladiumで行ったコンサートを完全に収録した作品です。

ホーンセクションを導入したアコースティックな響きをもつビッグバンドに、Chick CoreaのMoogやArp Odysseyのエレクトリック楽器が広がりを加え、実際の人数以上の豊かな表現を聴かせます。Stanley ClarkeのAlembic Bassのソリッドなサウンド、Piccolo Bassのかわいい音色も最高で、これらのインタープレイがまさに眼前で火花を散らします。

このアルバムと同じ編成で録音された"Musicmagic"からの曲が中心になっており、スタジオ盤では各ソロが比較的短く収録されていましたが、このライブでは十分な長さでソロが展開されており、各ミュージシャンのプレイを堪能することができます。

'Endless Night'は"Musicmagic"でも中核を成していた曲ですが、このライブではChick CoreaのMoogが怪鳥のような叫びを上げ、最高のソロを聴かせます。Stanley ClarkeのPiccolo BassもGuitarライクな演奏を展開しますが、終盤Stanleyお得意の超速弾きフレーズが飛び出し、これも最高です。随所で使われるArp Odysseyのシンフォニックな響きもすてきです。

このアルバムは元LP6枚組みでリリースされましたが、LP収録時間の関係で'Endless Night'が途中フェードアウトするミックスになっていました。実はCD化にあたってもこのまま収録されており、若干残念です。

'Spanish Fantasy'は"My Spanish Heart"収録曲ですが、こちらも十分な長さでChickのMoogソロが展開されており、大変すばらしい仕上がりになっています。

Jazz/Fusionファンの方なら絶対に持っていたいアルバムの一つです。

上のCDカバーがCD3枚組みの"Live The Complete Concert"のカバーです。下のカバーはCD2枚組みの"Live"で、'Endless Night'がフェードアウト/インしないミックスになっているのは大変よいのですが、かなり編集され、いくつかの曲がカットされています。どうせなら"Live The Complete Concert"のほうをお勧めします。

nakaQ評価:★★★★★

Return To Forever "Live The Complete Concert"
ザ・ライヴ


曲目リスト

Disc 1

1.Opening '77
2.The Endless Night (Part 1)
3.The Endless Night (Part 2)
Introduction of Musicians
4.The Musician

Disc 2

1.Introduction
Hello Again
2.So Long Mickey Mouse
3.Musicmagic (Part 1)
4.Musicmagic (Part 2)
Applause

Disc 3

1.Introduction
Come Rain Or Come Shine
Fine And Dandy
2.Serenade
3.The Moorish Warrior And Spanish Princess
4.Introduction
Chick's Piano Solo
5.Spanish Fantasy
6.On Green Dolphin Street

Return To Forever "Live"USA
Live And Unreleased


曲目リスト

Disc 1

1. Opening '77
2. The Endless Night
3. The Musician
4. Stanley's Introduction
5. Hello Again
6. So Long Mickey Mouse
7. Musicmagic

Disc 2

1. Come Rain Or Come Shine
2. Serenade
3. The Moorish Warrior And Spanish Princess
4. Stanley's Introduction
5. Spanish Fantasy
6. Chick's Closing Introductions
7. On Green Dolphin Street
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2006年09月09日

Miles Davis "Bitches Brew" (1969)

Miles Davisの作品でも特に評価の高いアルバムです。ジャンル的にはフリージャズと呼ぶのが最も近いのではないでしょうか。70年代のフュージョンミュージックを創ったChick Corea,John McLaughlin,Joe Zawinul,Billy Cobhamといった優れたミュージシャンがセッションに参加しており、フュージョンミュージックの元祖であるようなことがよく言われていますが、本当でしょうか。

nakaQは、この作品はどちらかというとフリージャズの系譜で語られるべき、60年代ジャズの帰結のように感じます。アルバムで展開されているのは混沌であり、聴いて素直に楽しめる演奏ではありません。この作品のマグマのような熱さが70年代のフュージョンミュージック全盛を生むエネルギーになったように思います。そういった、歴史的な価値ではすごく意味のある作品だろうとは思います。ただ、この手の「音楽的でない」音楽がnakaQは苦手なので、あんまり聴くことはありません。

冒頭の'Pharaoh's Dance'はまさにそんな混沌を象徴するかのような曲で、フリーキーな演奏が延々と繰り広げられます。Disc 1は'Bitches Brew'も長い曲ですし、難解な演奏が続くイメージがあります。

Disc 2はDisc 1に比べると各曲が短めですし、リズム的にも聴きやすいのではないかと思います。ただ、曲調はやはりフリージャズ的で、起承転結なりメロディーといったものがほとんど感じられませんので、やはり難解に聴こえてしまいます。

アルバムのアートワークは素晴らしいので、歴史的意義に価値を感じる方は購入されてもよいのでは、と思います。個々のプレーヤーはすごい人たちばかりで、緊迫感もあり、刹那刹那ではすばらしいフレーズも飛び出しますので、BGM的にかけっぱなしにするか、芸術としてじっと聴きこむかのいずれかと思います。

nakaQ評価:★★★

Miles Davis "Bitches Brew"
Bitches Brew


曲目リスト

ディスク:1

1. Pharaoh's Dance
2. Bitches Brew

ディスク:2

1. Spanish Key
2. John McLaughlin
3. Miles Runs The Voodoo Down
4. Sanctuary
5. Feio
6. Sanctuary
7. Feio [*]

Miles Davis - Bitches BrewUSA試聴できます
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2006年07月04日

Stanley Clarke "I Wanna Play For You" (1979)

Stanley Clarkeのこのアルバムを彼の代表作としてよいのかわかりませんが、nakaQ的にはとても気に入っているアルバムです。元は2枚組みLPとして発売されましたので、ボリューム的にも申し分ありません。

カバーからしてAlembicのベースを下げてポーズを決めていますが、フュージョン期の、しかもかなりロックっぽいアプローチをしていた頃のStanleyの作品です。ゲスト陣も豪華で、17人クレジットされており、ギタリストではJeff BeckやLee Ritenourの名前が見えます。とにかく、やはり彼のキャリアの一つの頂点で制作されたアルバムというのは大きくは外していないでしょう。

タイトル曲'I Wanna Play For You'はスペーシーなシンセサイザストリングスとStanleyのベースで始まりますが、曲自体はReggaeです。ReggaeなバックトラックでStanleyが超速弾きベースを弾きまくるという、ごきげんなナンバーです。ソウルフルな女性ボーカルもよいです。

Jeff Beckは'Jamaican Boy'でクレジットされていますが、彼らしい切込みの鋭いソロがほとんど聴けないのが不満。これよりも、'Quiet Afternoon'のRaymond GomezのギターとStanleyのベースの応報がすさまじく、一聴の価値があると思います。曲は静かなのですが、2人のソロでどんどんテンションが上がっていくさまがかっこよく、これぞフュージョンの醍醐味、なんて言いたくなります。

'School Days'はRaymond Gomezのギターも超速くてすごいですが、この曲でのStanleyのベースソロもこれまたすさまじい。まあ、いかにもこの人らしい超速弾きフレーズなのですが、この熱さはやはりFusion Musicが全盛となった時代が味方していると思えます。とにかく超絶。

nakaQ評価:★★★★★

Stanley Clarke "I Wanna Play for You"(♪ほぼ全曲試聴可)
I Wanna Play for You


1.I Wanna Play for You
2.Just a Feeling
3.Streets of Philadelphia
4.Together Again
5.Blues for Mingus
6.Strange Weather
7.Quiet Afternoon
8.Rock & Roll Jelly
9.Jamaican Boy
10.My Greatest Hits
11.School Days
12.Hot Fun/Closing

Stanley Clarke - I Wanna Play for YouUSA試聴できます
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2006年05月18日

Return To Forever "Musicmagic" (1977)

ビッグバンド形態に移行したReturn To Foreverの作品で、スタジオアルバムとしてはReturn To Forever名義での最後の作品になります。

この頃Chick Coreaが求めていたロマンティックな表現に対し、"Romantic Warrior"でのロックバンド形態での演奏に行き詰まりを感じていたのでしょう。Chickのシンセサイザを核に、ブラス・ウッドベースのアコースティックな響きとGayle MoranやStanley Clarkeのボーカルをフィーチャーし、シンフォニックで広がりのある、実際の人数以上に響くビッグバンドサウンドを構築することに成功しました。音楽的には保守的なまでのビッグバンドジャズですが、本当に楽しい音世界が実現されています。

'Musician'は「人々に笑われ、罵られながら彼の愛した音楽を演奏した」音楽家が歌われます。「彼は反逆者」70年代のChick Coreaそのものです。彼の理想を追い求めた70年代の試みの成果がこのアルバムに結実していると言ってよいと思います。

'Musicmagic'はアルバムの前半の山場を形成する大曲です。この曲ではいい感じのGayle Moranのゆるいハモンドオルガンに続き、Stanley ClarkeのPiccolo Bassソロがフィーチャーされ、すばらしくグルーブ感のある演奏が展開されます。

'Endless Night'はアルバムの後半の山となる名曲です。「疑いと不安が愛と痛みをごちゃまぜにする」終わりの無い夜の苦しみを、Gayle MoranとStanley Clarkeが歌い、ホーンとARP Odyssayが壮麗に奏でます。ChickのMoogソロは当然最高ですが、StanleyのPiccolo Bassがこの曲でも大活躍します。

完璧なまでに計算され、構築された、1音の無駄も無いすばらしいアルバムです。70年代Fusion Musicの最高の到達点と言える名盤と思います。

nakaQ評価:★★★★★

Return To Forever "Musicmagic"
Musicmagic


1.Musician
2.Hello Again
3.Musicmagic
4.So Long Mickey Mouse
5.Do You Ever
6.Endless Night

Return to Forever - MusicmagicUSA試聴できます
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2006年05月12日

Stephane Grappelli "Young Django" (1979)

Django Reinhardtと"Djangology"などの録音を行ったStephane Grappelli名義のアルバムです。メンバーは

Stephane Grappelli(Violin)
Philip Catherine(Guitar,Right)
Niels-Henning Orsted-Pedersen(Bass)
Larry Coryell(Guitar,Left)

の4人で、Young DjangoとはPhilip Catherineのことだそうです。

編成はドラムレスですが、弦楽器のみの編成による格調高い調べにはドラムは不要との判断は正しかったと思います。

Guitarの2人は、Larry Coryellは繊細で素早く、Philip Catherineのほうが太い音でYoung Djangoと評されるのがなんとなく理解できます。でもDjango Reinhardtを髣髴とさせるプレイとまでは至っていないと思います。

"Djangology"にも収録されている'Minor Swing'も演奏されていますが、Stephane Grappelliのバイオリンソロの後ベースソロが続き、肝心のギターソロがありません。このあたり、"Young Django"のタイトルに惑わされることなく、Stephane Grappelliの"Djangology"トリビュートアルバムと捉えたほうが良いと思います。Stephane Grappelliのバイオリンはとても良く歌い、むしろ"Djangology"を髣髴とさせるのは重鎮のプレイです。

nakaQ評価:★★★

Stephane Grappelli "Young Django" USA
Young Django


曲目リスト

1. Djangology
2. Sweet Chorus
3. Minor Swing
4. Are You in the Mood?
5. Gallerie St. Hubert
6. Tears
7. Swing Guitars
8. Oriental Shuffle
9. Blues for Django and Stephane

Larry Coryell, Niels-Henning !)rsted Pedersen, Philip Catherine & St!)phane Grappelli - Young Django試聴できます
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2006年04月14日

Weather Report "Heavy Weather" (1977)

Joseph Zawinul率いるWeather Reportも、70年代のフュージョンブームの中核として活躍したバンドですが、ギタリストがいなかったためにMahavishnu OrchestraやReturn To Foreverとはちょっと違う受け止められ方をしていたように思います。平たく言うと、ロックを基調としたバンドよりメインストリームの人に好意的に受け止められていたと言うか、逆に言うとnakaQのようにロック寄りのファンからは退屈なバンドに感じました。

1曲目'Birdland'はWeather Reportの曲の中でも最も親しみやすく、ポップな1曲と思います。シンセサイザによるホーンオーケストレーションが鳥の国の様子を奏で、冒頭や途中のソロパートでのJaco Pastoriusのフレットレスベースも最高。ただし、ロックからフュージョンを聴き始めたnakaQにすると、ハイハットばかりシャカシャカならしていつまで経ってもスネアを叩かないドラムスにいらいらして聴いていたのも事実で、このあたりもWeather Reportというバンドがよりメインストリーム寄りだったと言えると思います。

続く'A Remark You Made'もこのアルバムの代表的な曲と思いますが、この曲はロックからフュージョンに入った人には結構苦しい曲と思います。とにかく主旋律なるものが存在せず、ソロをとるWayne Shorterのテナーサックスも次々と違うメロディーを吹くものですから、どうにも安心できない気持ちになってしまいます。実はこれこそがWeather Reportのスタイルで、Joseph Zawinulがインプロビゼーションで弾いたものを全部楽譜に書き起こし、ソロイストに演奏させるという、そういう意味ではソロパートはWayne Shorterのソロではなく、全てJoseph Zawinulのコントロール下の音楽ということになります。良くも悪くも、これがWeather Reportと言えると思います。

nakaQがこのアルバムで一番好きなのはWayne Shorterによる'Palladium'です。この曲はとにかくポップです。通常のロックやポップスのイディオム通り、メインパートのメロディーが繰り返され、インプロビゼーションパートがわかりやすく分けられていて、構成上理解しやすいというのも大きなメリットです。また、特に終盤にかけて疾走感を伴ってWayne ShorterのテナーサックスとJoseph Zawinulのシンセサイザがソロを展開するのも、とてもかっこよくて好きです。

nakaQ評価:★★★★★

Weather Report "Heavy Weather"(♪全曲試聴可)
Heavy Weather


曲目リスト

1.Birdland
2.Remark You Made
3.Teen Town
4.Harlequin
5.Rumba Mama
6.Palladium
7.Juggler
8.Havona

Weather Report - Heavy Weather / Black Market"Heavy Weather / Black Market"UK試聴できます
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2006年04月02日

Django Reinhardt "Djangology" (1949)

Django Reinhardtの"Djangology"です。昨年来日した際のインタビューで、Jeff Beckも目標にしていると語っていて、驚きましたが、確かにこの人の境地には誰もたどり着けないのではないかと思います。

Django ReinhardtのギターとStephane Grappellyのバイオリンを中心にしたHot Clob Of Franceというクインテットの演奏です。Stephane Grappellyのバイオリンも良く歌っていてすばらしいのですが、Djangoのギターはまさに心技一体のジャズです。よくもこんなに自由にインプロビゼーションできるものだと思います。

"Djangology"はHot Club Of Franceが1949年の1月から2月にかけてRomeのRupe Tarpeaに出演していたときの58曲の演奏をアマチュアが録音したもので、アルバムにより曲目がいろいろあります。このアルバムはBluebirdから発売されているもので、未発表曲が多数収録されています。オリジナル音源はSP盤のはずで、以前聴いたCDはSP盤特有のプチプチノイズがたくさん乗っていましたが、このCDは不思議なほどクリアな音です。

演奏としては、'Minor Swing','Djangology','Swing 42'がいかにも彼ららしくてよいのですが、'Beyond The Sea (La Mer)','After You've Gone'といった曲もDjangoの神業のようなギターが聴ける名演です。

nakaQ評価:★★★★★

Django Reinhardt "Djangology"(ほぼ全曲試聴可)
Djangology


曲目リスト

1.I Saw Stars
2.After You've Gone
3.Heavy Artillery (Artillerie Lourde)
4.Beyond The Sea (La Mer)
5.Minor Swing
6.Menilmontant
7.Bricktop
8.Swing Guitars
9.All The Things You Are
10.Daphne
11.It's Only A Paper Moon
12.Improvisation On Tchaikovsky's "Pathetique" Andante
13.The World Is Waiting For The Sunrise
14.Djangology
15.Ou Es-Tu, Mon Amour? (Where Are You, My Love?)
16.Marie
17.I Surrender, Dear
18.Hallelujah
19.Swing 42
20.I'll Never Be The Same
21.Honeysuckle Rose
22.Lover Man
23.I Got Rhythm

ジャンゴ・ラインハルト - DjangologyUSA試聴できます
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2006年03月22日

Herbie Hancock "Future Shock" (1983)

Herbie HancockとMaterialのコラボレーションによる名盤"Future Shock"です。

やっぱり、'Rockit'はインパクトが強い。特にパーカッション・スクラッチング・ベースによる衝撃的なイントロと、Hi-Qとスクラッチングを駆使したリズムトラックのかっこよさは本当にすごいです。ヒップホップムーブメントでスクラッチングが使われつつあったのですが、これをメインストリームに紹介したのはこの作品が最初です。後にZTTを興し一世を風靡するTrevor Hornは、彼らに先を越された悔しさから「もっとイギリスらしい破壊的なダンスミュージックを作ってやる」ということでThe Art Of Noiseを作ることになります。

それはとにかく、この'Rockit'はいかにもHip Hopなトラックがなっている間は非常に気持ちがいいのですが、Herbieのキーボードが入ると途端に陳腐なファンキー音楽になってしまいます。このあたり、あくまで時代の先端だったBill Laswellと、時代の流行には敏感だが実際は古い体質の正統派ジャズマンのHerbie Hancockの違いと思います。

続く、タイトルチューンの'Future Shock'はこのアルバムの最問題作で、何が問題かというとあまりに古いイメージの楽曲であることです。Bill Laswellたちは、「他の曲が先端をいく曲なので、1曲くらいリスナがほっとするような曲を入れないといけない」と思ったらしいのですが、余計なお世話で、この曲がアルバムのインパクトをぐっと落としていると思います。

後の曲は'Rockit'と同様にインパクトの強い楽曲で、特に'Autodrive'はアップテンポな楽しい曲です。この曲でもHerbieはアコースティックピアノを弾いていますが、Materialが用意した超先端的なバックトラックにもよく合っていて良い出来と思います。

nakaQ評価:★★★★

Herbie Hancock "Future Shock"
Future Shock


曲目リスト

1.Rockit
2.Future Shock
3.T.F.S.
4.Earthbeat
5.Autodrive
6.Rough
7.Rockit (Mega Mix)

Herbie Hancock - Future ShockUSA試聴できます
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2006年03月07日

Chick Corea "Return To Forever" (1972)

第1期Return To Foreverということで、ブラジル音楽の要素が濃い作品です。タイトル曲はChick Coreaのフェンダーローズに続いてJoe Farrelのフルートが軽やかなソロを奏でます。また、Flora Purimの歌が鮮烈です。どうもこの歌は強烈すぎて、楽園の様子を歌っているというよりなにやら妙なことを考えてしまうのはnakaQだけでしょうか。

'Sometime Ago〜La Fiesta'はLPではB面全体を占めるメドレーですが、この作品の核を成しています。まず圧巻なのはStan Clarke (Stanley Clarke)のベースです。彼はB.C.Richのベースがトレードマークと思いますが、超速弾きが楽器に依存しているわけではなく、ウッドベースでも超速く弾けることを証明しています。すごいと思います。

この後、Flora Purimが'Sometime Ago'の歌を披露して、いよいよ'La Fiesta'です。

この曲はChick Coreaの曲の中でも特に名曲といってよい作品と思います。もはやジャズのスタンダードの1曲になっています。後の"My Spanish Heart"でも示される、Chickのスペインへの思いが結実した曲で、Joe Farrelのソプラノサックス、Stan Clarkeのベース、Chick Coreaのローズピアノが一体となって曲を熱く盛り上げます。

nakaQ評価:★★★★★

Chick Corea "Return to Forever"(♪全曲試聴可)
Return to Forever


曲目リスト

1.Return to Forever
2.Crystal Silence
3.What Games Shall We Play Today?
4.Sometime Ago/La Fiesta
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2006年02月26日

Return To Forever "Where Have I Known You Before" (1974)

1974年の作品ですので、Mahavishnu Orchestraの"Birds Of Fire"やJeff Beckの"Blow By Blow"とほぼ同時期の作品です。

Return To ForeverはリーダーがChick Corea、ベーシストがStanley Clarkであるというのは不変ですが、初期のブラジル音楽っぽい編成から本作のロックバンド的な編成を経て、"Music Magic"の頃はビッグバンド風になったりといろいろに変化しています。このアルバムはReturn To Foreverの中でも最もロック色の濃い時期のものです。

1曲目の'Vulcan Worlds'は陳腐なチャイムに始まり、「何だこれは」と思いますが、その後の展開は実にロック的で、Chick Coreaのシンセサイザ、Al Di Meolaのギター、Stanley Clarkのベースがそれぞれにソロをとります。Mahavishnu Orchestraみたいなインタープレイではありませんが、Stanleyのベースがバックに回った時も暴れているのが面白いです。

Alのギターということでは、6曲目の'Earth Juice'は曲のテンポがゆっくりしていますので、あまり早弾きではありませんが、溜めの効いたプレイという趣で、味のあるギターを聞かせてくれます。バッキングギターもいい。Al Di Meolaって早弾きで有名ですが、バッキングが実にうまいです。

このアルバムのハイライトはなんといっても14分に及ぶ大曲の、8曲目'Song To The Pharoah Kings'でしょう。時代を感じさせる音色のChickのシンセサイザソロに始まり、Chickのキーボードいっぱいという感じの後、Stanleyがベースソロをとり、いったん静かになってからChickのエレピに導かれてAlのギターが入るのですが、ここでのソロがなんといってもかっこいい!早弾きも冴え渡り、何度聴いても好きです。全員ぴったりと息が合って音の塊になる瞬間もすごい。この曲のような組曲は、やはりChickの作曲能力の高さが光っています。

nakaQ評価:★★★★

Return To Forever "Where Have I Known You Before"(♪全曲試聴可)
Where Have I Known You Before


曲目リスト

1.Vulcan Worlds
2.Where Have I Known You Before?
3.Shadow of Lo
4.Where Have I Danced With You Before
5.Beyond the Seventh Galaxy
6.Earth Juice
7.Where Have I Known You Before?
8.Song to the Pharoah Kings
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Al DiMeola "Elegant Gypsy" (1977)

このアルバムも、Jeff Beckの"Wired"やMahavishnu Orchestraの"Birds Of Fire"とほぼ同時期の、Fusion全盛時の名盤です。

発売は1977年になっていますが、この当時はギターが全般的にのんびりとしていて、Jimmy PageやRichie Blackmoreなんかがテクニシャンとしてもてはやされていた時代でした。そんな中、Al Di Meolaは「そんなに速く弾くな」といいたくなるような速弾きを武器に突然現れたのですから、ショックでした。

このアルバムでもJan Hammerは大活躍で、そういった意味からもJeff Beck "Wired",Mahavishnu Orchestra "Birds Of Fire",Al DiMeola "Elegant Gypsy"はnakaQにとって兄弟のような3枚なのですが、いずれもFusionの大傑作です。

冒頭シーケンサーによる物憂げなリフで始まる'Flight Over Rio'は、ラテンパーカッションのあとすぐにAlのフランジャー処理された超速弾きギターが唸ります。この曲のギターはエフェクトがかなりかかっていて、本当に弾いているのかなんだかよくわからない印象もあるのですが、たとえばアコースティックギターでPaco De Luciaと競演する3曲目の'Mediterranean Sundance'などでは、生の超絶なギターが堪能できます。

2曲目の'Midnight Tango'は前半部非常にリラックスできるゆっくりとした演奏で、なにかへたをするとムード音楽のようなイメージがあるのですが、中盤以降一転してアップテンポのラテンミュージックになります。圧巻は終盤の、多重録音によるAlのツインギターの速弾きフレーズですが、狂おしい情感を秘めながらフェードアウトします。

ベストトラックはやはり7曲目の大作'Elegant Gypsy Suite'でしょう。ここで、Jan HammerがJeff Beckの"Wired"で披露したのと同じフレーズを中盤のソロで使用するのには笑えますが、Alのギターがとにかく一杯で、かっこいいです。彼独特のミュートによる速弾きも冴え渡っています。nakaQは学生時代タロットに凝っていたのですが、この曲がタロットをするのにイメージが最も噴出したものです。さすがは'Gypsy'を冠するだけあると思いますが、この曲のGypsy音楽っぽさってどこから来ているのでしょうか。謎です。

nakaQ評価:★★★★★

Al Di Meola "Elegant Gypsy"
エレガント・ジプシー


曲目リスト

1.Flight Over Rio
2.Midnight Tango
3.Mediterranean Sundance
4.Race With Devil On Spanish Highway
5.Lady Of Rome, Sister Of Brazil
6.Elegant Gypsy Suite

Al Di Meola - Elegant GypsyUSA試聴できます
posted by nakaQ at 07:33| Comment(0) | TrackBack(1) | Jazz&Fusion | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする