YMOのこの作品は、今まで聴いていませんでした。リアルタイムで聴いていた友人が、これまでと全く違う、特にリズムが違うとかと言って、もういやになったというようなことを言っていたので、裏ジャケのサイケなメンバーの写真を見て、これは難しい作品なんだと思って敬遠しておりました。
で、今回、20数年して初めて聴いてみたのですが、とてもわかりやすいというか、少なくとも明るいイメージの作品であることに驚きました。変態的ということでは前作"BGM"のほうがねじれています。おそらくサンプラの導入によるところが大きいのだと思いますが、ねじれた音を追求するより、音素材を音としてはクリアな音で鳴らし、パーカッションとしての使い方ではっとさせる効果を狙うという方法論を確立したのでしょう。音楽的にも難解さよりダンサブルなビートが目立つ曲が多く、アルバムのイメージを明るいものにしています。
'Seoul Music〜京城音楽'はそんな開放感を感じさせる代表的な曲で、細野晴臣のスラップベースがファンクっぽさを強調します。曲調もYMOならではのオリエンタルムードに溢れており、このアルバムでも特に秀逸な一曲です。
'Taiso〜体操'はnakaQはあまり好きではないのですが、この作品を特徴付ける曲という意味でやはり外せません。「腕を前にあげてケイレンの運動」とか、当時のYMOの持っていたねじれたユーモアが溢れた曲で、やっぱり笑えません。どうも頭でっかちというか、根がまじめな人たちなのでお笑いには向いていない感じです。曲自体は軽快なアコースティックピアノが印象的な楽しい曲です。
'プロローグ〜前奏','エピローグ〜後奏'はサンプリング音を大きく活用した、印象的で美しい曲です。このアルバムのあと、実質的に活動停止状態になる彼らの到達点として感動を呼びます。
nakaQ評価:★★★★
YMO "TECHNODELIC"

曲目リスト
1. ピュア・ジャム~ジャム
2. NEUE TANZ~新舞踊
3. ステアーズ~階段
4. SEOUL MUSIC~京城音楽
5. ライト・イン・ダークネス~灯
6. TAISO~体操
7. グラデイテッド・グレイ~灰色(グレイ)の段階
8. KEY~手掛かり
9. プロローグ~前奏
10. エピローグ~後奏


