2006年12月12日

The Beatles "Let It Be" (1970)

リリース順から言うとThe Beatlesのラストアルバムです。製作は"Abbey Road"のほうが後でしたが。タイトル曲や'Get Back','The Long And Winding Road'等の名曲が含まれていますので、存在意義は十分すぎるほどあるのですが、なにより失敗に終わった"Get Back"プロジェクトの痛々しい残影が聴いていて辛いです。この寒々とした感触は映画だともっとリアルで、Paulを除くメンバーの心がすでにそこにないことが見てとれます。

音的にも、The Beatlesの面々が、収録したもののどうにもならないということでほったらかしにした音源を、Phil Spectorが職人芸でリリースできる状態にしたということで、ある意味厚化粧な作品になっていて、この意味でも辛いです。

そんな作品ですが、前述の3曲はThe Beatlesを代表する名曲になっているのがこの人たちのすごいところです。

タイトルチューンの'Let It Be'はゴスペル風味の名曲ですが、George Harrisonがセッションの後日にオーバーダブしたリードギターがすばらしい。乾いた音色の、実にGeorgeらしい名演です。説得力のあるフレーズ展開といい、GeorgeのThe Beatles時代のリードギターソロとして最高の演奏の一つでしょう。曲を盛り上げる、輝かしいトランペットの導入はPhil Spectorの功績です。

'The Long And Winding Road'もPhil Spectorの職人芸が光る名曲です。オリジナルのコンボ形式の演奏は、Paulの意図したサウンドなのでしょうが、Philの導入したストリングスによる、特に間奏部の素晴らしい旋律はオリジナルにはありません。Philの天才が、オリジナル演奏からこの旋律を聴いてしまったのでしょう。それが、この曲に永遠の命を与えました。

'Get Back'は当然ながら名曲ですが、演奏もライブ感溢れるよい演奏であったためか、Phil Spectorも特にいじらず、ストレートな演奏になっています。曲最後の拍手やら話し声が、この演奏のライブな印象を高めるのに役立っており、これはPhil Spectorの職人芸です。

Rolling Stone誌の"The RS 500 Greatest Albums Of All Time"では86位にランクされています。

nakaQ評価:★★★★

The Beatles "Let It Be"
Let It Be


曲目リスト

1. Two Of Us
2. Dig A Pony
3. Across The Universe
4. I Me Mine
5. Dig It
6. Let It Be
7. Maggie Mae
8. I've Got A Feeling
9. One After 909
10. The Long And Winding Road
11. For You Blue
12. Get Back
posted by nakaQ at 21:05| Comment(0) | TrackBack(0) | Rock&Pop | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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