彼らのアルバムでも、全体を通じてアイルランド出身のバンドとしてのアイデンティティを最も強く感じさせるのは本作でしょう。AndreaのかわいいボーカルにSharonとCarolineの美しいハーモニーが重なるスタイルが確立しており、アコースティック楽器を多用したルーツっぽい演奏にJim Corrのエレクトリックギターがハードな色合いを添え、Sharonのバイオリンも冴え渡っています。
'Forgiven, Not Forgotten'は物憂げなメロディラインといい曲名と言い、なんだかちょっとうっとしいのですが、このちょっとした翳りがこの作品を通じて流れるトーンです。Andreaがなにかで「アイルランドはいつも霧がかかっていて、何もかもがぼやっとしている」というようなことを言っていたのですが、アイルランドというのはそんな抑圧も感じさせる国のようで、彼女達のルーツを大切に愛しむ姿勢が、この作品をとても魅力的にしていると思います。
'Runaway'は美しいメロディと演奏で、The Corrsの代表曲といってよいと思いますが、アコースティックなストリングスもとても美しいです。Sharonのバイオリンが前面にフィーチャーされていますが、控えめながらJim Corrのエレクトリックギターもドラマチックな効果を上げています。
'The Right Time'は彼らには珍しくレゲエのリズムを使用した曲で、Andreaのボーカルも明るくかわいくてよいです。Jim Corrのフランジャーを効かせたバッキングギターがアクセントとなっています。Charolineの軽やかなドラミングワークもとてもよいです。
'Toss The Feathers'などのインストゥルメンタル曲が多く収録されているのもこのアルバムの特徴です。彼らが単なるポップグループを狙ったのであればインストゥルメンタル曲というのはできれば避けたと思うのですが、The Corrsというバンドが始めからロックバンドたることを目指したことを表しています。
nakaQ評価:★★★★★
The Corrs "Forgiven, Not Forgotten"

曲目リスト
1. Erin Shore [Traditional Intro] [Instrumental]
2. Forgiven Not Forgotten
3. Heaven Knows
4. Along With the Girls [Instrumental]
5. Someday
6. Runaway
7. Right Time
8. Minstrel Boy [Instrumental]
9. Toss the Feathers [Instrumental]
10. Love to Love You
11. Secret Life
12. Carroroe Jig [Instrumental]
13. Closer
14. Leave Me Alone
15. Erin Shore [Instrumental]


