アルバムカバーからして、"Horizon"のカバーのうっとうしさとは打って変わってRichardの表情もKarenの笑顔もとてもすばらしくて、ああ、これで彼らは心配なくなったんだ、なんて思ったものでした。Karenは結局この後いくつかの作品を残してこの世を去ってしまうのですが、この作品を製作したころは落ち着いていたんだ、幸せだったんだ、と思いたくなります。
1曲目'A Kind Of Hush'はHerman's Hermitsが1967年にヒットさせた曲のリメイク版ですが、いかにも爽やかなCarpentersサウンドが戻ってきたと感じる、ポップな曲です。が、たとえば"Horizon"収録の'Please Mr.Postman'のような脳天気な雰囲気はなくて、どちらかというと陰影も感じさせるサウンドに仕上がっていて、それがこの曲を更に魅力的にしています。
'I Need To Be In Love'はJohn BettisとRichard Carpenterの筆になる曲です。「青春の輝き」という邦題もぴったりと感じられる、美しいのですがどこかメランコリックな響きを感じさせるメロディラインが素晴らしい名曲です。メランコリックではあるが、"Horizon"の曲のような憂鬱な雰囲気はなく、明るい夕日を思わせる曲です。
nakaQとしては、'Boat To Sail'「愛の小舟」も大好きな曲です。どことなくあても知れず流されていくような浮遊感のあるメロディなり演奏がとても好きです。Karenの若干投げやりっぽく聴こえる歌唱もすばらしい。
The Carpentersとしては人気絶頂期を過ぎた、どことなく一抹の寂しさの漂う作品ではありますが、曲それぞれの魅力はすばらしいと思います。ぜひ再評価されてほしい作品です。
nakaQ評価:★★★★
The Carpenters "A Kind of Hush"(♪全曲試聴可)

曲目リスト
1. There's a Kind of Hush
2. You
3. Sandy
4. Goofus
5. Can't Smile Without You
6. I Need to Be in Love
7. One More Time
8. Boat to Sail
9. I Have You
10. Breaking up Is Hard to Do


