冒頭の'Gimme Shelter'は何かやばい状況になりつつあるので、隠れ家を探している歌です。この作品が発表された1960年代末というのはベトナム戦争もあり、こんな雰囲気だったのでしょう。曲は非常にロックっぽい演奏になっており、女性ボーカルの起用もあいまってパワフルな印象です。このアルバムでは'Midnight Rambler'や'Live With Me','Monkey Man'がこのタイプの曲です。
Robert Johnsonの'Love In Vain'は、初めて聴いたときは「これは何だ」と思いました。Mickの歌もひどく音程を外しているように感じましたし、そもそも音楽なのかもわからない、といった印象でした。Robert Johnsonのオリジナルも聴いた今では、本当に原曲への愛情に溢れ、丁寧に美しくカバーした曲であると思います。ブルースへの愛情と言うのは、このバンドの最大のキーワードですが、このアルバムはこの愛情がとてもよく現れた作品と思います。
nakaQがこのアルバムで最も好きなのは'You Can't Always Get What You Want'です。冒頭の混声コーラスはやめてほしかったですが、曲途中でも盛り上げに使用されているのでまあよしとしましょう。むしろパワフルな演奏と女性ボーカルで一気に突き進む乗りが大変いい感じの曲です。「欲しいものがいつも手に入るとはかぎらないが、まあやってみろよ」というちょっと斜に構えたメッセージが彼らっぽくてすてきです。曲のスケールの大きさから、The Beatlesの'Hey,Jude'を思い出すのですが、ひたすらに「彼女ともういちどがんばれ」と励ますのとはスタンスが違っており、そのままこの2大グループのキャラクターの違いとも受け止めることができ、面白いです。
Rolling Stone誌の"The RS Greatest 500 Albums Of All Time"では32位にランクされています。
nakaQ評価:★★★★
The Rolling Stones "Let It Bleed"(Hybr)(ほぼ全曲試聴可)

曲目リスト
1.Gimme Shelter
2.Love In Vain
3.Country Honk
4.Live With Me
5.Let It Bleed
6.Midnight Rambler
7.You Got The Silver
8.Monkey Man
9.You Can't Always Get What You Want


