2006年12月29日

Ultravox "Vienna" (1980)

Ultravoxの代表作"Vienna"です。

サウンド的にはニューウェイブとテクノの中間といった趣で、YMOやKraftwerkほどがちがちのテクノサウンドではなく、生音も結構活躍しています。アメリカのDevoと似たスタンスで、生音にうまくシーケンスを取り入れてグルーブ感を増す使い方をしています。このアルバムから参加しているMidge Ureの声がやや神経質に感じ、DevoのMike Mothersboughを思わせるからなおさらそのように感じるのかもしれません。

冒頭の'Astradyne'は7分を超えるインストゥルメンタル曲です。シンセサイザを中心に構成され、グルーブ感も高く、とても質の高い演奏で、長さを感じさせません。シンセサイザソロも非常に効果的です。

'Sleepwalk'はアップテンポで、いかにもニューウェイブ然とした曲調です。こういう曲ではシンセベースのノリのよさがキモと思いますが、その意味でもこの曲は大変よくできています。シーケンスによるシンセサイザの音色も、ポップでよいです。

'Vienna'はタイトルチューンですが、ゆっくりとしたテンポにSound Effectが乗り、ロマンティックかつドラマチックな曲に仕上がっています。途中、間奏部でテンポアップし、ストリングスパートになるのもよい構成と思います。

nakaQ評価:★★★★

Ultravox "Vienna"
Vienna


曲目リスト

1. Astradyne
2. New Europeans
3. Private Lives
4. Passing Strangers
5. Sleepwalk
6. Mr X
7. Western Promise
8. Vienna
9. All Stood Still

Ultravox - Vienna試聴できます
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2006年12月23日

Hugo Diaz 「ハーモニカの鬼才〜フォルクローレ名曲集」(2003)

ハーモニカの鬼才、Hugo DiazのFolklore作品のコンピレーションです。

nakaQがHugo Diazのことを知ったのは、Led Zeppelinの1stアルバムの'You Shook Me'でRobert Plantがブルースハープを吹いているのに刺激されてブルースハープをしてみたくなり、浅見安二郎さんの「ブルースハープ」という教則本を読んで始めてみたのですが、この本でHugo Diazのことが紹介されていたのがきっかけです。浅見安二郎さんの本はCD演奏を含め実にすばらしい本ですのでブルースハープをしてみたい方はぜひ入手されるとよいです。

それはともかく、この作品で聴かれるHugo Diazの演奏はまさに衝撃的で、ハーモニカでこんな音がでるのか、という思いになること必至です。Hugo Diazは1977年にすでに亡き人になっているのですが、音質も大変よく、まさに目の前で吹いているかのような迫力です。

冒頭の'La Distancia'は哀愁を含んだメロディ、アコースティックギターのバッキングといかにもFolkloreな曲ですが、Hugo Diazの演奏の特徴である激しく不協和なブロー音が早くも全開で、圧倒されます。

'Viva Jujuy'は右に定位する明るく高い弦の音がラテンミュージックらしい、楽しい曲です。Hugo Diazの演奏も、彼らしい激しさを幾分抑え、楽しい演奏に徹しており、これはこれでとてもよい感じと思います。

音楽的には後半のほうが華やかで、バンドネオン等も交えてよりカラフルな演奏が展開されます。'Malvita'では左チャンネルに定位するピンポン鳴るパーカッションがごきげんで、明るくノリのよい演奏が展開されます。

nakaQ評価:★★★★

Hugo Diaz 「ハーモニカの鬼才〜フォルクローレ名曲集」
ハーモニカの鬼才~フォルクローレ名曲集


Disc 1

1.へだたり
La distancia(Oscar Matus - Armando Tejada Gomez)  
2.ラ・フィナディータ
La finadita(Julian y Benicio Diaz)  
3.ウルグアイ川に捧げる歌
Canto al Rio Uruguay(Ramon Ayala)
4.マサモレアンド
Mazamorreando(P.D./Recop:Alberto Ruiz)
5.故郷に帰って
De vuelta al pago(Fortunato Juarez)
6.サルタの天幕小屋
Carpas saltenas(Payo Sola)  
7.私のサンバ
Zamba mia(Hugo Diaz)  
8.見つからないよ
No lo hallo(Hugo Diaz - Oscar Liza) 
9.はるか彼方を目指して
Hacia la distancia(Oscar Matus)
10.古きチャカレーラ
La vieja(Julian y Benicio Diaz)  
11.私のラウラのために
Para mi Laura(Jose L. Colangelo)
12.フフイ万歳!
Viva Jujuy (Segundo Aredes 採譜:Rafael Rossi)
13.サンティア−ゴの郷愁
Nostalgias santiaguenas(Hermanos Abalos)
14.忘却のチャカレーラ
La olvidada(Julian y Benicio Diaz - Atahualpa Yupanqui)
15.サンバ・アレグレ
Zamba alegre(Andres Chazarreta)
16.悩める者のチャカレーラ
Chacarera del sufrido(Hermanos Abalos)
17.遠くからの歌
Cancion del lejos(Cesar Isella - Armando Tejada Gomez) 
18.限りなき愛の歌
Amar amando(Horacio Guarany)

Disc 2

1.道連れ(ラ・コンパニェーラ)
La companera(Oscar Valles - Fernando Portal)
2.ウルピーラの嘆き
Lamento de la ulpilita(Bravo)
3.高地のサンバ(ラ・アリベーニャ)
La arribena(Atahualpa Yupanqui)
4.ラ・パタジャ
La pataya(Hugo Diaz)  
5.君の忘却を思いつつ
Pensando en tu olvido(Julio Jerez)
6.ベチョのバイオリン  El violin de Becho
El violin de Becho(Alfredo Zitarrosa)
7.サカー島
Isla Saca(S.Cortesi)
8.キロメトロ・オンセ
Kilometro 11(Transito Cocomarola)
9.メルセディータス
Merceditas(Ramon Sixto Rios)
10.ビジャヌエバ
Villanueva(Ernesto Montiel - Emilio Chamorro)
11.谷間の川
Valle‘I(Herminio Gimenez - Matias Goetz)
12.キシエラ・セル
Quisiera ser(Mario Clavell)
13.歌う雄鶏
Gallito cantor(Jose Asuncion Flores)
14.ラ・グアンパーダ
La guampada(Mario Millan Medina)
15.マルビータ
Malvita(Herminio Gimenez)
16.わが麗しのコリエンテス
Ah! mi Corrientes pora(Eladio Martinez - Lito Bayardo)
17.ペソア橋
Puente Pexoa(Transito Cocomarola)
18.さかまく川
Rio rebelde(Cholo Aguirre)
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2006年12月16日

U2 "The Unforgettable Fire" (1984)

古城の幻想的な写真を使ったカバーが印象的なU2の作品です。

音的にはBrian EnoとDaniel Lanoiをプロデューサに迎え、非常に高度な音処理の施された作品に仕上がっています。

オープニングを飾る'A Sort Of Homecoming'はゆったりとしたノリのリズムで、このバンドが大きく成長したことを印象付ける曲です。U2のトレードマークでもあるThe Edgeのギターのバッキングは当然効果的なのですが、グリッサンドによるギターサウンドも重ねられ、アルバムのカバーのような幻想的な効果を上げています。Adam Claytonのよく歌う端正なベースもよいです。ドラムもスネアでない、ポコポコいう音の太鼓が使用され、耳を惹きます。

'Pride (In The Name Of Love)'はThe Edgeの饒舌なバッキングリフとLynn Drumの大げさなドラム音が印象的な曲です。この曲もビートはゆったりと大きく、ずっしりとした安定感を感じさせます。

この作品は前半の派手さに比べると後半は地味な印象ですが、そんな中、'Bad'も静かな曲調ながら、サビのメロディなど彼らのルーツであるIrishな要素を感じさせ、よい感じです。この曲もAdam Claytonのベースがよい。The Edgeのギターサウンドも合わせ、雄大なスケールを感じさせるよい曲と思います。

nakaQ評価:★★★★

U2 "The Unforgettable Fire"
The Unforgettable Fire


曲目リスト

1. A Sort Of Homecoming
2. Pride (In The Name Of Love)
3. Wire
4. The Unforgettable Fire
5. Promenade
6. 4th Of July
7. Bad
8. Indian Summer Sky
9. Elvis Presley And America
10. MLK

U2 - The Unforgettable Fire試聴できます
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2006年12月12日

The Beatles "Let It Be" (1970)

リリース順から言うとThe Beatlesのラストアルバムです。製作は"Abbey Road"のほうが後でしたが。タイトル曲や'Get Back','The Long And Winding Road'等の名曲が含まれていますので、存在意義は十分すぎるほどあるのですが、なにより失敗に終わった"Get Back"プロジェクトの痛々しい残影が聴いていて辛いです。この寒々とした感触は映画だともっとリアルで、Paulを除くメンバーの心がすでにそこにないことが見てとれます。

音的にも、The Beatlesの面々が、収録したもののどうにもならないということでほったらかしにした音源を、Phil Spectorが職人芸でリリースできる状態にしたということで、ある意味厚化粧な作品になっていて、この意味でも辛いです。

そんな作品ですが、前述の3曲はThe Beatlesを代表する名曲になっているのがこの人たちのすごいところです。

タイトルチューンの'Let It Be'はゴスペル風味の名曲ですが、George Harrisonがセッションの後日にオーバーダブしたリードギターがすばらしい。乾いた音色の、実にGeorgeらしい名演です。説得力のあるフレーズ展開といい、GeorgeのThe Beatles時代のリードギターソロとして最高の演奏の一つでしょう。曲を盛り上げる、輝かしいトランペットの導入はPhil Spectorの功績です。

'The Long And Winding Road'もPhil Spectorの職人芸が光る名曲です。オリジナルのコンボ形式の演奏は、Paulの意図したサウンドなのでしょうが、Philの導入したストリングスによる、特に間奏部の素晴らしい旋律はオリジナルにはありません。Philの天才が、オリジナル演奏からこの旋律を聴いてしまったのでしょう。それが、この曲に永遠の命を与えました。

'Get Back'は当然ながら名曲ですが、演奏もライブ感溢れるよい演奏であったためか、Phil Spectorも特にいじらず、ストレートな演奏になっています。曲最後の拍手やら話し声が、この演奏のライブな印象を高めるのに役立っており、これはPhil Spectorの職人芸です。

Rolling Stone誌の"The RS 500 Greatest Albums Of All Time"では86位にランクされています。

nakaQ評価:★★★★

The Beatles "Let It Be"
Let It Be


曲目リスト

1. Two Of Us
2. Dig A Pony
3. Across The Universe
4. I Me Mine
5. Dig It
6. Let It Be
7. Maggie Mae
8. I've Got A Feeling
9. One After 909
10. The Long And Winding Road
11. For You Blue
12. Get Back
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2006年12月06日

KanYe West "Late Registration" (2005)

KenYe Westの2枚目のアルバムです。Rap作品ですが、バックトラックがとても美しく仕上げられており、音楽としてすばらしい作品になっています。

'Touch The Sky'で聴かれるホーンセクションは1970年代テイストですが、とてもポップにうまく使用されています。ベースやドラムのリズムセクションは現代風にボトムがしっかりして、ごきげんなグルーブを送り込んで来ます。まずはこの曲でつかみはOKといったところです。

'Diamonds From Sierra Leone'は元ネタを知らないのですが、存在感の大きなボーカルを大胆にフィーチャーした大ネタものといった趣です。が、随所で使用される様々な楽器によるフィルインがそのボーカルをも霞ませるほどに美しく、効果的です。低く唸りをあげるホーン系の音色のシンセベースも最高。

'Celebration'も1970年代テイストなホーンが特徴的な曲です。エレピも活躍し、ピカピカした効果を出していますが、曲自体は短い単純なループが繰り返され、これがグルーブ感を高めています。

'Back To Basics'は豪華なシンセサイザストリングスが魅力的な曲です。このストリングスの奏でる旋律もとても楽しく美しく、音楽的です。

nakaQ評価:★★★★

KanYe West "Late Registration"(♪全曲試聴可)
Late Registration


曲目リスト

1. Wake Up Mr. West
2. Heard 'Em Say featuring Adam Levine of Maroon 5
3. Touch The Sky featuring Lupe Fiasco
4. Gold Digger featuring Jamie Foxx
5. Skit #1
6. Drive Slow featuring Paul Wall & GLC
7. My Way Home featuring Common
8. Crack Music featuring Game
9. Roses (4:05)
10. Bring Me Down featuring Brandy
11. Addiction
12. Skit #2
13. Diamonds From Sierra Leone (Remix) featuring Jay-Z
14. We Major featuring Nas & Really Doe
15. Skit #3
16. Hey Mama
17. Celebration
18. Skit #4
19. Gone featuring Consequence & Cam'Ron
20. **BONUS TRACK**Diamonds From Sierra Leone

Kanye West - Late Registration試聴できます
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2006年12月03日

Kate Bush "The Red Shoes" (1993)

Kate Bushの作品の中でもPopな部類に入る作品です。ジャケットの裏面は各種フルーツが並んでいますが、そんなとてもフルーティな印象の、カラフルな作品と思います。反面、表面にはKateの写真が無く、さすがに容色に衰えが来たかな、との印象もあります。そんなことは音楽には関係ありませんが。

1曲目'Rubberband Girl'はインドネシアのガムランの音色を使用したりして、彼女の新しい境地を感じさせる曲です。曲調としてもどっしりと腰の据わったFunkで、なかなかかっこいい曲に仕上がっています。

3曲目'Eat The Music'はサンバっぽい、ラテンな曲です。こんな曲調はこれまでのKateにはあまりなかったように思われ、とても新鮮な印象です。ポップで、冒頭に書いたフルーティな印象が一番強く感じられる曲です。

4曲目'Moments Of Pleasure'はモチーフからして前作"The Sensual World"に収録されているべきような官能的な曲ですが、前作での数曲と同様The Trio Blugarkaとの共演になっています。KateのボーカルとThe Trio Blugarkaのコーラスのコンビネーションはよりよくマッチングし、静かな中に情感を湛えた素晴らしい仕上がりになっています。

このアルバムで特筆すべきは11曲目の'Why Should I Love You?'でのPrinceとの共演です。実は、殿下とKateは1度も顔を合わさないままこの曲で共演しています。どういうことかと言うと、KateがPrinceと共演したいということでDel Palmerに持ちかけ、Del PalmerはKateの書いた曲をPrinceに送ったそうです。すると、Princeからこの曲に使用されている、コーラス付きの完璧なバックトラックが送り返されてきて、「自由に使ってください」ということだった、というのです。コラボレーションの新しい形というか、今で言うオープンソースでのソフトウェア開発のような、まさに先端をいくエピソードと思います。Del Palmer自身も、二人とも我が強いので、顔を合わせなかったからコラボがうまくいったと言っており、当を得た感想でしょう。曲調としても、Princeらしさの溢れた、素晴らしい出来と思います。

nakaQ評価:★★★★

Kate Bush "The Red Shoes"
The Red Shoes


曲目リスト

1. Rubberband Girl
2. And So Is Love
3. Eat the Music
4. Moments of Pleasure
5. Song of Solomon
6. Lily
7. Red Shoes
8. Top of the City
9. Constellation of the Heart
10. Big Stripey Lie
11. Why Should I Love You?
12. You're the One

Kate Bush - The Red Shoes試聴できます
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2006年12月02日

Bob Dylan "Highway 61 Revisited" (1965)

続けてBob Dylanの作品を聴いてみましたが、この作品はどの曲にもロックが感じられ、とても力強さを感じせる名盤と思いました。

1曲目'Like A Rolling Stone'もそんな力強さも感じさせるのですが、曲としての美しさもすばらしい名曲と思います。曲目だけは知っていて、今まで聴いたことがなかったなんてお恥ずかしい限りですが、やっぱりロック史上に残る名曲でしょう。

タイトルチューンの'Highway 61 Revisited'は曲としてはシンプルなロックンロールで、スライドギターが特徴的な曲です。曲調からか、Bob Dylanの歌声もあんまりぶっきらぼうには聴こえないで、結構丁寧にメロディを歌っているように思います。

'Desolation Row'は、特に右チャンネルに定位するアコースティックギターがほとんど全曲リードギターを弾いているような感じで、非常にリリカルなプレイを繰り広げます。曲としてもフォーク的な美しさを持ったよい曲と思います。

Rolling Stone誌の"The RS 500 Greatest Albums Of All Time"では4位にランクされています。

nakaQ評価:★★★★

Bob Dylan "Highway 61 Revisited"(♪全曲試聴可)
Highway 61 Revisited


曲目リスト

1. Like a Rolling Stone
2. Tombstone Blues
3. It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry
4. From a Buick 6
5. Ballad of a Thin Man
6. Queen Jane Approximately
7. Highway 61 Revisited
8. Just Like Tom Thumb's Blues
9. Desolation Row

Bob Dylan - Highway 61 Revisited (Remastered)USA試聴できます
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