2013年09月23日

Yes "Going For The One" (1977)

Rick Wakeman復帰により実現した名盤

Rick Wakemanが復帰し製作されたYesの名盤です。ギターはSteve Howeで、やはりこの人達が当時のYesサウンドにはなくてはならないメンバーだったと思います。

'Going For The One'はSteve Howeのスライドギターを大きくフィーチャーしたロックンロールナンバーです。ロックンロールとは言っても、乗りはよいのですがYesらしいスケールの大きな楽曲が構築されており、聴き応えのあるナンバーに仕上がっています。

'Parallels'はRick Wakemanのパイプオルガンにより壮大な音場が形成されていますが、Steve Howeの速弾きがすさまじいです。この当時Al Di Meolaも現れ、速弾きが新たな次元に入りつつあり、Steve Howeも負けじと速弾きに磨きをかけたのでしょうか。それまでも超一級のテクニシャンでしたが、このアルバムでは更なる高みを目指す意気込みを感じさせます。

'Wonderous Stories'は小品ですが、この曲の爽やかさが大好きです。Rick Wakemanとの再開をアコースティックギター・シンセサイザ・ベースのアンサンブルで心から喜んでいるようで、感動を覚えます。

おすすめ度:★★★★★

Going for the One
Going for the One



曲目リスト

1. Going For The One
2. Turn Of The Century
3. Parallels
4. Wonderous Stories
5. Awaken
6. Montreux's Theme
7. Vevey (Revisited)
8. Amazing Grace
9. Going For The One
10. Parallels
11. Turn Of The Century
12. Eastern Numbers (Early Version of Awaken)
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2013年09月19日

Robert Johnson "The Complete Recordings" (2008)

伝説のブルースマンの全録音

Eric ClaptonやKeith Rechardsが多大な影響を受けたRobert Johnsonの全録音が収録されたアルバムです。
27歳で死去するまでに残してくれたこれらの録音は、ブルースを愛する人達にとって宝物になっています。

nakaQも最初に聴いたときはよく解らず、なんだか地味にギターの弾き語りをしているなと思ったのですが、よくよく聴くとギターは一人で低音弦でブギをキープしながら高音弦でフィルインを入れたり、スライドギターしたりとどうやって弾いているのかわからない、すごい演奏をしています。若い頃Eric Claptonもどうやればこんな音が出るのかと聴きあさったといいますが、その演奏の巧みさもさることながら彼の歌・演奏のグルーブ感がフルバンドの演奏に全くひけをとらないもので、自然とブルースの真髄を体得することになったのではと思います。

'Love In Vain'はRolling Stonesが"Let It Bleed"でカバーしています。Stonesのカバーはとても美しく、Robert Johnsonへの愛に溢れた演奏になっていますが、オリジナルはある意味そっけなく、しかし力強く歌い上げています。3・4小節目のコード進行が通常と違って聴こえるのですが何のことはないGからG7への進行で、とても叙情味を醸し出しているのが不思議な感じです。Stonesの演奏は、オリジナルに結構忠実だと思いました。

'Cross Road Blues'はEric ClaptonがCreamの"Wheels Of Fire"でカバーした'Cross Road'の原曲です。かっこいいリフとかはなくてプリミティブな印象ですが、この曲もそこがいいと思います。Robert Johnsonがギターの腕前と引き換えにクロスロードで悪魔に魂を売った伝説を歌った歌です。

一人フルバンドの演奏としては、たとえば'I Believe I'll Dust My Broom'などが好例ではないかと思います。完全にリズムをキープしながらフィルインを入れる奏法は当然聴き者なんですが、ギターの演奏と全く独立した力強い歌が凄いです。ちょっと聴いただけでは今の耳にはあまりに簡素に聴こえる演奏ですが、聴きこんでみると本物のブルースが奏でられており、Eric ClaptonやKeith Rechardsのような大物が敬愛してやまないこの巨人の偉大さがご理解いただけると思います。

おすすめ度:★★★★★

The Complete Recordings
The Complete Recordings



ディスク:1

1. Kind Hearted Woman Blues
2. Kind Hearted Woman Blues
3. I Believe I'll Dust My Broom
4. Sweet Home Chicago
5. Ramblin' On My Mind
6. Ramblin' On My Mind
7. When You Got A Good Friend
8. When You Got A Good Friend
9. Come On In My Kitchen
10. Come On In My Kitchen
11. Terraplane Blues
12. Phonograph Blues
13. Phonograph Blues
14. 32-20 Blues
15. They're Red Hot
16. Dead Shrimp Blues
17. Cross Road Blues
18. Walkin' Blues
19. Last Fair Deal Gone Down

ディスク:2

1. Preachin' Blues (Up Jumped The Devil)
2. If I Had Possession Over Judgement Day
3. Stones In My Passway
4. I'm A Steady Rollin' Man
5. From Four Until Late
6. Hellhound On My Trail
7. Little Queen Of Spades
8. Little Queen Of Spades
9. Malted Milk
10. Drunken Hearted Man
11. Drunken Hearted Man
12. Me And The Devil Blues
13. Me And The Devil Blues
14. Stop Breakin' Down Blues
15. Stop Breakin' Down Blues
16. Traveling Riverside Blues
17. Honeymoon Blues
18. Love In Vain
19. Love In Vain
20. Milkcow's Calf Blues
21. Milkcow's Calf Blues
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2013年09月07日

Scritti Politti "Provision" (1988)

名盤"Cupid & Psyche 85"と対をなす佳作アルバム

Scritti Polittiが名盤"Cupid & Psyche 85"に続いてリリースしたアルバムです。
nakaQも聴いた当初は"Cupid & Psyche 85"の続編のように感じてあまり好きでなかったのですが、今こうして聴きなおしてみるとこの時期の彼らが持っていたキラキラした音色感覚が心地よく、やっぱりこれは無二の作品だと思います。

RogerのRoger TroutmanとMiles Davisの参加が話題になりましたが、Rogerは'Boom! There She Was'や'Sugar and Spice'でトーキングモジュレータで存在感を発揮しています。中性的なGreen Gartsideの声もあり無機的になりがちな(そこがこの頃の彼らの作品の魅力なんですが)楽曲にうまく人間的な効果を与えています。音はシンセサイザなので過度に人間ぽくないのもよいです。

Miles Davisは'Oh Patti (Don't feel sorry for loverboy)'のソロで参加しています。ミュートを付けたフニャっとした音で、ソロ自体もフニャっとしていますが、この曲にはよくマッチしています。Jazzの帝王がHip Hopのアルバムに参加したというのもすごいのですが、この巨匠は最期まで時代を見据えていたということでしょう。
曲としても美しいメロディラインが印象的で、どちらかというとリズム中心に聴いてしまうグループの別の魅力を引き出しています。

'First Boy In This Town (Lovesick)'もとても好きな曲です。この時期の彼ららしいウルトラクリーンな音世界ですがコーラスを含むノリがもろに人間っぽくて、元気いっぱいの作品に仕上がっています。

おすすめ度:★★★★

Provision
Provision

USA
曲目リスト

1. Boom! There She Was
2. Overnite
3. First Boy In This Town (Lovesick)
4. All That We Are
5. Best Thing Ever
6. Oh Patti (Don't Feel Sorry For Loverboy)
7. Bam Salute
8. Sugar And Spice
9. Philosophy Now
10. Oh Patti (Extended)
11. Boom! There She Was (Dub)
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2013年08月12日

Ten "STORMARNING" (2011)

ハードロックの範疇に留まらないメロディアスロック

Gary Hughesのプロジェクトバンド的なTenの9作目スタジオアルバムです。

オープニングナンバー'Endless Symphony'は土着的な太鼓で幕を開けます。ルーツとしてのケルトを感じさせ、ハードロック/へヴィメタルのみのアルバムでないことを予感させます。
続いて輝かしい音色でピアノがイントロメロディを歌い、リリカルに主旋律を奏でます。このあたり、しっとりとしていてnakaQ好み。カスタネットもとてもいい。
この後ディストーションギターがバッキングで入り、いわゆるハードロックな展開になるのですが、Gary Hughesの書くメロディやハーモニーが大変美しく、ギターもうるさく感じません。Tenは一応はハードロックバンドに分類されるのでしょうが、ブリティッシュ特有の叙情性を湛えたサウンドで、ポップな味わいがあります。

タイトルにもなっている'Stormwarning'も同様にハードロック様式に則った叙情ロックです。シンフォニックなシンセサイザと分厚いハーモニーが美しい。この曲では特にドラムスが大活躍し、力強いロールがすばらしいです。終末観を漂わせる(が、お尻が素敵な)ジャケットデザインとよくマッチした佳曲に仕上がっています。

前半はドラマチックな楽曲が並ぶのですが、後半はぐっとポップな印象になります。'The Hourglass And The Landslide'はそんなポップ曲の代表格で、ツインギターの絡みもメロディアスで好きです。

おすすめ度:★★★★★

STORMWARNING
STORMWARNING


曲目リスト

1. Endless Symphony
2. Centre Of My Universe
3. Kingdom Come
4. Book Of Secrets
5. Stormwarning
6. Invisible
7. Love Song
8. The Hourglass And The Landslide
9. Destiny
10. The Wave

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2011年09月18日

Lady Gaga "The Fame" (2009)

Lady Gagaのデビュー盤

Lady Gagaのこの作品も発表された当時にもレコード店で視聴したのですが、あまりピンと来ませんでした。ネーミングからしてQueenの'Radio Gaga'を思わせて妙なシャレに感じられましたし(実際名前の由来はこの曲から採ったようですが)アメリカ音楽業界がポップスターを登場させてきたように感じたからです。実際にはLady Gagaは単なるポップスターではなく、才能に溢れたアーティストで、実力はその後の快進撃が証明している通りです。

このアルバムの前半はユーロポップ調のダンス曲になっています。'Let's Dance'はダンスビートはバネが効いてよいものの曲としてはやや類型的なイメージですが、全世界でヒットし未だにLady Gagaの代表曲になっている'Poker Face'はサビのメロディーが素晴らしく傑出した出来栄えです。サビ以外の部分では低音でブツブツとつぶやくラップですが、この曲以外ではあまりラップっぽい曲はなく、この人が基本的にメロディーを重視するタイプの音楽家であることを示しています。

'Eh, Eh (Nothing Else I Can Say)'は打ち込み色の強いダンス曲ですが、開放的で楽しい曲です。

nakaQはどちらかと言うと後半のロック・ポップ調の曲のほうがこの人の持ち味が現れていると思い、好きです。特に'Brown Eyes'とか、中期のThe Beatlesを思わせるメロディなりカッティングギターがとてもよいです。

この人の場合もプロモビデオがいいので、DVD付きの日本盤「デラックス・エディション」をお勧めします。

nakaQ評価:★★★★

ザ・フェイム-デラックス・エディション-(DVD付)
ザ・フェイム-デラックス・エディション-(DVD付)

The Fame - Lady GaGa

ディスク:1

1. ジャスト・ダンス feat.コルビー・オドニス
2. ラヴゲーム
3. パパラッチ
4. ポーカー・フェイス
5. アイ・ライク・イット・ラフ
6. エイ、エイ(ナッシング・エルス・アイ・キャン・セイ)
7. スターストラック feat.スペース・カウボーイ&フロー・ライダー
8. ビューティフル、ダーティー、リッチ
9. ザ・フェイム
10. マニー・ハニー
11. ボーイズ・ボーイズ・ボーイズ
12. ペーパー・ギャングスタ
13. ブラウン・アイズ
14. サマーボーイ
15. ディスコ・ヘヴン (日本盤ボーナス・トラック)
16. アゲイン・アゲイン (日本盤ボーナス・トラック)
17. レトロ・ダンス・フリーク (日本盤ボーナス・トラック)

ディスク:2

1. ジャスト・ダンス feat.コルビー・オドニス (ミュージック・ビデオ)
2. ポーカー・フェイス (ミュージック・ビデオ)
3. エイ、エイ(ナッシング・エルス・アイ・キャン・セイ) (ミュージック・ビデオ)
4. ラヴゲーム (ミュージック・ビデオ)
5. パパラッチ (ミュージック・ビデオ)

Just Dance
Just Dance

Poker Face
Poker Face

Eh Eh (Nothing Else I Can Say)
Eh Eh (Nothing Else I Can Say)
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2011年09月04日

谷村奈南 "NANA BEST" (2011)

谷村奈南のデビューにしてベストアルバム

谷村奈南の待望のアルバムで、これまでのシングルの集大成でもあり、とても充実した仕上がりになっています。プロモビデオ集のDVDが付いているのもとてもよく、これはマストです。

アルバム冒頭の'Again'は谷村奈南のデビュー曲です。確かな歌唱力で聴かせるすばらしいバラードです。この人はバラード系が特によく、'Ooh・・・'とか'If I'm not the one'とかがすごくよい。もっと普通のポップ調にはなりますが、'MY WAY'も爽やかな余韻を残す素敵な曲です。

'SEXY SENORITA'は彼女のラテンダンス曲の代表作です。谷村奈南のこれまでのレパートリーのメインはアップテンポのダンス曲ですが、なぜか声量が少なく感じられる曲が多くてちょっと残念です。この曲はそんな弱点を補強するためにボーカルを奈南コーラス仕立てにしたのが奏功してパンチのある曲に仕上がっています。'JUNGLE DANCE'とかもラテンダンス曲で、プロモがやはりこの人らしさが溢れていいです。砂浜で踊るプロモをフィーチャーした'every-body'はポップ調ダンス曲で、彼女の屈託のない笑顔がサイコーです。

またハードロック系の曲が意外に合っていて'FAR AWAY','Believe You','Make It Numb'とか、良い出来です。ハードロック系とは言っても奈南の歌はやはりふわっとしていて、バックバンドもうるさくはないので聞きやすく仕上がっています。

女子大生の肩書きを卒業し、今後どんな活躍を見せるのか楽しみです。やっぱりフルアルバムをリリースしたかというのは音楽人にとっては大きな評価の分かれ目で、このアルバムを機にドーンと来てほしいです。nakaQみたく、Foxxi misQの2ndを切望しながら結局リリースされずにがっかりした向きにはこのアルバムは特におすすめです。

nakaQ評価:★★★★

NANA BEST (DVD付)
NANA BEST (DVD付)
NANA BEST - 谷村奈南

ディスク:1 (CD)

1. Again [Album Version]
2. Say Good-bye [Album Version]
3. Ooh... [Album Version]
4. JUNGLE DANCE
5. Place of love [Album Version]
6. SEXY SENORITA
7. If I’m not the one
8. Crazy For You
9. every-body
10. GIRLS WANNA BE
11. FAR AWAY
12. Believe you
13. TOXIC
14. CIRCUS WORLD
15. Make It Numb
16. If I’m not the one [English Version]
17. MY WAY
18. GIMME MO
19. Innocent

ディスク:2 (DVD)

1. Again
2. Say Good-bye
3. JUNGLE DANCE
4. SEXY SENORITA
5. If I’m not the one
6. Crazy For You
7. every-body
8. FAR AWAY
9. Believe you
10. TOXIC
11. CIRCUS WORLD
12. MY WAY
13. GIMME MO

『40Pフォトブック/特典トレーディングカード10種付』NANA BEST(初回限定生産盤)(DVD付)
『40Pフォトブック/特典トレーディングカード10種付』NANA BEST(初回限定生産盤)(DVD付)

JUNGLE DANCE(DVD付)
JUNGLE DANCE(DVD付)
JUNGLE DANCE - EP - 谷村奈南

every-body(DVD付)(ジャケットA)
every-body(DVD付)(ジャケットA)
every-body - EP - 谷村奈南

SEXY SENORITA/If I’m not the one(DVD付)
SEXY SENORITA/If I’m not the one(DVD付)
If I'm not the one / SEXY SENORITA - EP - 谷村奈南
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2011年02月21日

Al Di Meola "Land Of The Midnight Sun" (1976)

速弾きと音楽への情熱があふれた初リーダー作

Al Di Meolaの初リーダー作です。初リーダー作として、こんなアルバムが作りたかったという思いがひしひしと伝わってくる出来です。ギターの音色が、ディストーションが軽めでフレージングがクリアに聴こえるのがnakaQ的にはポイント高いです。

中でも冒頭'The Wizard'はAlの凄まじい速弾きが炸裂するかっこいい曲です。マイナーな曲調もラテンロック風味でよいです。"Elegant Gypsy"の'Race With Devil On Spanish Highway'に通じる曲調でいかにもAlらしい曲と思っていましたら、作曲はPercussionのMingo Lewisで、びっくり。この曲ではKeyboardも担当しています。

タイトルナンバーの’Land Of The Midnight Sun’は軽めの曲調にAlの速弾き、Barry Milesのシンセサイザが絡む曲です。このBarry MilesのシンセサイザがJan Hammerばりでとてもよい感じです。

'Suite-Golden Dawn'はファンクベースにラテンパーカッションがからむラテンファンクといった趣の組曲です。この曲は終盤近くになってリズムセクションによるリフ合奏になった後Barry Milesのシンセサイザソロが入るのですが、このソロのフレーズ、音色がかっこよくて好きです。ベースはJaco Pastoriusで、ファンクのうねるグルーブを引き出すナイスプレイです。Alもこんなにかっこいいファンクを書くんだと改めて感心しました。

超速弾ギタリストとしての評価をほしいままにしたAlですが、速く弾くことに飽きたのかそれほど速弾きしていない作品もありますので、とにかく速いAlが聴きたいという方にはこの作品や次のソロアルバム"Elegant Gypsy"をお勧めします。

nakaQ評価:★★★★★

Al Di Meola "Land of the Midnight Sun"
Land of the Midnight Sun

曲目リスト

1. The Wizard
2. Land of the Midnight Sun
3. Sarabande from Violin Sonata in B Minor
4. Love Theme from "Pictures of the Sea"
5. Suite-Golden Dawn
a. Morning Fire
b. Calmer of the Tempests
c. From Ocean to the Clouds
6. Short Tales of the Black Forest
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2010年12月18日

Utopia "Adventures in Utopia" (1990)

AOR風味のUtopia

前作"Oops! Wrong Planet"からポップになっていたUtopiaですが、このアルバムは本当にポップです。曲名にも使われている、当時のNew Waveシーンを意識したものかも知れませんが、New Waveというより70年代のAOR(Adult Oriented Rock)という言葉を思い出させる仕上がりです。

シングルヒットもしたという'Set Me Free'など、ポップさが際立っています。ベースを担当しているKasim Sultonがリードボーカルをとっていますが、コーラスはモノラルっぽいというか一発撮り的な印象で、これ以前のToddプロデュースのアルバムでコーラスをこんな風に音場処理した例はあまり知りません。これも当時のはやりでしょうか。キーボードは70年代AOR風味で、いい感じです。ホーンセクションの起用も、曲にパンチを効かせるのに効果的です。

とっちらかった印象もありますが'Shot in the Dark'もとても好きな曲です。なんだか爆発的なパワーと不思議レトロなメロディが素敵な一風変わった曲に仕上がっています。

キラキラした音色のシンセサイザとコーラスのみで奏でられる'Love Alone'はとてもロマンチックで、綺麗な1曲です。この曲もKasim Sultonがリードボーカルをとっており、コーラスが本当に素晴らしいです。

他にもディスコベースが唸る'Rock Love'とか、前作"Oops! Wrong Planet"での崇高な音世界からするとちょっと「?」な印象はあるものの聴き所は多く、ポップでありながら一級のクオリティを持った作品と思います。

nakaQ評価:★★★★

Utopia "Adventures in Utopia"
Adventures in Utopia

Adventures In Utopia +1 (アドヴェンチャーズ・イン・ユートピア+1) - Utopia

曲目リスト

1. The Road To Utopia
2. You Make Me Crazy
3. Second Nature
4. Set Me Free
5. Caravan
6. Last Of The New Wave Riders
7. Shot In The Dark
8. The Very Last Time
9. Love Alone
10. Rock Love
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2010年12月11日

Utopia "Oops! Wrong Planet" (1977)

キリスト教的世界観をコンセプトにしたポップ・プログレ名盤

前作までのUtopiaはとてもプログレっぽかったのですが、この作品からぐっとポップになっています。ポップとは言っても'Trapped'や'Martyr''Marriage of Heaven and Hell'など、キリスト教的世界観がテーマになっており、ポップ・プログレというべき作品と思います。

当時脂の乗り切ったTodd Rundgren, Roger Powell, Kasim Sulton, John Wilcoxのメンバーが作り上げたこの作品は各曲の出来がよく、Rock名盤と呼べるクオリティです。更にToddのギター、Rogerのシンセサイザがとても力強く素晴らしい演奏です。

冒頭'Trapped'はクラシカルなフレーズのシンセサイザのイントロが衝撃的です。Roger大活躍。プログレッシブ・ロック然とした導入から一転ハードなロックになりますが、このあたりの展開も劇的でかっこいいです。リードボーカルはKasimとToddがとっています。Toddの歌声は当然好きなのですが、Kasimの歌声は更に澄んでいて、美声だと思います。

次の'Windows'もRogerがボーカルを担当し大活躍ですが、ソウルっぽい曲進行がとても魅力的で、未来っぽい雰囲気を醸します。Rogerのシンセサイザのソロ、フィルインが鋭く決まり、とてもよい感じです。ところで、'Windows'というと思い出すのはMicrosoftのOSですが、この曲の歌詞には'The web of life connects each of us to the other'というフレーズがあり、今日のWebを示唆する内容になっています。MicrosoftのOSにWindowsという名称を付けることに決めた人(Bill Gates?)に、この曲に触発されたのか尋ねたい気持ちです。さらにRogerに、上のフレーズが今日のWebをイメージしたものか、確認したくも思います。

この作品ではToddがMustangによるハーフトーンを他用していることも大きな特徴です。Johnがボーカルをとる'Crazy Lady Blue'でのソロは特に素晴らしく、クリアなトーンで繊細なフレージングが決まります。'Abandon City'でのソロもハーフトーンのアタックが強くクリアな音色をうまく活用した素晴らしいものです。

他、'The Marriage of Heaven and Hell'でのコーラスが音に変化していくサウンドワークや感動的な'Love is the Answer'など聴き所が多く、nakaQとしてとても好きなアルバムです。

nakaQ評価:★★★★★

Utopia "Oops! Wrong Planet"
Oops Wrong Planet

Oops! Wrong Planet + 1 (悪夢の惑星+1) - Utopia

曲目リスト

1. Trapped
2. Windows
3. Love In Action
4. Crazy Lady Blue
5. Back On The Street
6. The Marriage Of Heaven And Hell
7. The Martyr
8. Abandon City
9. Gangrene
10. My Angel
11. Rape Of The Young
12. Love Is The Answer
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2010年10月17日

福原美穂 "RAINBOW" (2009)

正統派R&Bアーティストのデビューアルバム

きりっと正面を向いたジャケットが激しく違和感を感じさせます。福原美穂というとにっこりと大きな口を開けて歌う姿がトレードマークかと思うのですが、このジャケットは全然そんな雰囲気はありません。別人のように見えたりするのですが、おそらくそれが彼女自身も狙ったことで、次作以降はもっとコマーシャルな方向に行くでしょうから、このアルバムでは素の自分を出そうとしたのではないでしょうか。

プロデュースも福原美穂自身が手掛けており、日本人離れした歌唱はもちろんのこと音楽的にもとても素晴らしい出来です。1曲名'CHANGE'ははじめて2 SOULと演った曲ということですが、からっとしたロック感がステキな曲です。この曲ではリードギターソロが好きですね。分厚い福原美穂コーラスもかっこいい。nakaQはDVD付きの初回限定盤を入手したのですが、この曲のプロモはアメリカでロケしたと思われる美しい出来です。

美しいプロモといえば、'優しい赤'もとても美しい映像です。曲としてもこのアルバムのベストトラックでしょう。北海道を出て上京する心情を歌った曲ですが、こんな旅立ちがあったからこそこの不世出のR&Bシンガーがデビューできたのですね。ドライブするベースが好きです。

スローな曲での丁寧な歌唱も素敵なのですが、やっぱりアップテンポな曲での弾ける歌声が彼女らしくて、その意味で3曲目'Lose Control'がとても楽しい出来です。特に「株価が落ちて市長さんドゥビドゥビダッター」なんてフレーズはどこから浮かんできたのでしょうか。

日本人離れしたエモーショナルな歌唱を聞かせる彼女ですが、プロモでの表情もとてもエモーショナルで少し怖かったりします。が、とても美形であることには違いありませんので、例によってジャケットをたくさん貼っておきます。セクシーさだけで勝負するのではなく、高い実力・音楽性を持っているといった意味で、日本版Alicia Keysといった趣です。

nakaQ評価:★★★★★

福原美穂 "RAINBOW"
RAINBOW

福原美穂 "RAINBOW"(初回生産限定盤)(DVD付)


曲目リスト

ディスク:1

1. CHANGE
2. ANYMORE
3. Lose Control
4. 雪の光
5. Everybody Needs Someone
6. ON TOP OF THE WORLD
7. ひまわり
8. LOVE ~winter song~ (album version)
9. Getting There
10. ドリーマー
11. ICE & FIRE
12. 優しい赤

ディスク:2(初回限定盤のみ)

1. MUSIC CLIPS::CHANGE
2. MUSIC CLIPS::ひまわり
3. MUSIC CLIPS::優しい赤
4. MUSIC CLIPS::LOVE ~winter song~
5. MUSIC CLIPS::雪の光
6. SPECIAL MOVIE::ショートフィルム「優しい赤」

福原美穂 "CHANGE"
CHANGE

福原美穂 「優しい赤」
優しい赤

福原美穂 「ひまわり」
ひまわり

福原美穂 "LOVE~winter song~"
LOVE~winter song~
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